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Could you walk on the water ?
第7章 強要ストリップ
「すみません、お待たせして・・・・、皆さん、順にお並びください・・・・」

沙織の声は、聞き取れないほどに小さなものだった。

作業員たちは自分で皿を持って、食事をもらいに列に並ぶ。

スタッフには、妻、沙織の他に、やや年配の女性も何名かいた。

大介は、僅かな安堵を得ていた。

沙織の格好が、至極平凡なエプロンに、ワンピースという姿だったのだ。

どこかで想像していたような、過激な服装をしているわけではない。

だが、大介は妻の言葉も同時に思い出していた。

堀内さんの指示ですから、仕方ありません・・・・・・・・

不安げな様子で食事を盛っていく妻の姿に、大介の感情が困惑を増していく。

妻はここで、明らかに無理な行為を要求されている・・・・・・・。

大介は本能的にそれを感じ取った。

接待の材料にされているというのか、或いは・・・・・・・・・

「奥さん、相変わらず色っぽいなあ」

「今度デートしてくれよ、奥さん。朝まで寝かせないぜ、俺だったら」

下品に笑いあう、むさくるしい労働者たちに対し、沙織は戸惑ったような笑みを浮かべている。

大介は、勿論食事をもらいに行くわけにはいかなかった。

うまく人ごみに紛れながら時間を費やし、再び席に戻る。

堀内が傍らに座る役人らしき男に、何か耳打ちをしている。

2人の視線の先には、沙織がいる。

好色そうに役人が笑みを浮かべ、数回うなずく。

「食べないのかい?」 

隣に座った作業員にそう聞かれ、大介は答えた。

「まだビールを飲んでます。一番人気ってのはあの女性のことなのかな」

「ああ。6月頃に入ったばかりだけどね。綺麗だろう。スタイルも抜群で。あれで人妻なんだからな、たまらないさ」

「でも、ああやって食事を配るだけなんでしょう」

何も知らないんだな、という風に表情を崩し、男は大介に言った。

「毎晩、食事の後にお楽しみがあるのさ」

「お楽しみ?」

「奥さんのショーだよ」

男はそれを待ちきれない様子で、沙織のことを視姦するように見つめた。

大介は、彼のことを見つめながら、心の中で繰り返した。

奥さんのショー、だって?・・・・・・・・

ショーとは、いったい何なのか・・・・・・・・・。
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