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Could you walk on the water ?
第8章 浴室接待
「あんた、白石が今夜また来るらしいぜ」
山崎から大介のもとに連絡が届いたのは、8月の終わるころだった。
大介は寮に潜入したあの日、去り際に密かに山崎に連絡先を伝えていた。
白石が来る気配があれば、すぐに教えてほしい、と。
現場にいるはずの男の依頼に首をかしげながらも、山崎は律儀にそれに応えた。
迷う必要はまるでない。
その日、大介は先月に雇用したスタッフにカフェを任せ、再び同じ行動をとった。
作業着姿の大介があの場所にたどり着いたのは、やはり午後6時過ぎだった。
「白石は?」
工事現場の敷地内で約束通りに落ち合った山崎に、大介はそう聞いた。
この男は妻の唇を奪い、裸体を舐め回し、秘所に己のものを押し付けたのだ。
その困惑と深い怒りを隠しながら、大介は山崎を見つめた。
「まだだ。7時前じゃないかな」
たばこを吸いながらそうつぶやいた後、山崎は不審そうに大介を見つめた。
「お宅、ここで働いているなんて嘘だろう」
「・・・・・・・・・・・」
「ははあ、まさか、あの奥さんのことを追ってるのかい」
興味深そうに笑みを浮かべた山崎に、大介は声を一段と潜めて言った。
「実はそうなんだ。あの奥さんの旦那が俺の知り合いでね」
「へえ、いったいどんな旦那なんだい、あんないい女を妻にする男ってのは」
「平凡な男ですよ。とにかく、そいつに頼まれてね、あの奥さんの行動をできる限り監視したいんです」
「そりゃ、俺も怒られちまうな。この前は随分好きにやらせてもらったから」
「あれは内緒にしておきましたから」
「しかしいい女だぜ、あの奥さん。最後には自分から腰振ってきたからな」
大介は、それが山崎の錯覚であることを、強く祈った。
山崎から大介のもとに連絡が届いたのは、8月の終わるころだった。
大介は寮に潜入したあの日、去り際に密かに山崎に連絡先を伝えていた。
白石が来る気配があれば、すぐに教えてほしい、と。
現場にいるはずの男の依頼に首をかしげながらも、山崎は律儀にそれに応えた。
迷う必要はまるでない。
その日、大介は先月に雇用したスタッフにカフェを任せ、再び同じ行動をとった。
作業着姿の大介があの場所にたどり着いたのは、やはり午後6時過ぎだった。
「白石は?」
工事現場の敷地内で約束通りに落ち合った山崎に、大介はそう聞いた。
この男は妻の唇を奪い、裸体を舐め回し、秘所に己のものを押し付けたのだ。
その困惑と深い怒りを隠しながら、大介は山崎を見つめた。
「まだだ。7時前じゃないかな」
たばこを吸いながらそうつぶやいた後、山崎は不審そうに大介を見つめた。
「お宅、ここで働いているなんて嘘だろう」
「・・・・・・・・・・・」
「ははあ、まさか、あの奥さんのことを追ってるのかい」
興味深そうに笑みを浮かべた山崎に、大介は声を一段と潜めて言った。
「実はそうなんだ。あの奥さんの旦那が俺の知り合いでね」
「へえ、いったいどんな旦那なんだい、あんないい女を妻にする男ってのは」
「平凡な男ですよ。とにかく、そいつに頼まれてね、あの奥さんの行動をできる限り監視したいんです」
「そりゃ、俺も怒られちまうな。この前は随分好きにやらせてもらったから」
「あれは内緒にしておきましたから」
「しかしいい女だぜ、あの奥さん。最後には自分から腰振ってきたからな」
大介は、それが山崎の錯覚であることを、強く祈った。