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Could you walk on the water ?
第9章 レイプ
「玲佳ちゃん、いったい何があったんだい。訳を話してくれよ」

勤務してまもない女性スタッフの突然の辞職要請に、大介は動揺を隠せなかった。

「玲佳ちゃんのおかげで客足も増えてきたじゃないか。これからだって言う時に」

「店長、ごめんなさい、とにかく辞めさせてください・・・・・・・」

プライベートでの混乱が、大介の平静を既に奪っている。

昨夜、目撃した妻の痴態が、大介の脳裏に深く刻み込まれていた。

白石との浴槽の中での抱擁、洗い場での濃厚なソープ行為。

口での淫らな奉仕、そして口を塞がれたまま、指先で与えられた陵辱の仕打ち。

水着姿で、快楽に震える妻の裸体と吐息が、大介の脳裏をずっと支配している。

生贄となった沙織が、堀内のもとで何を強要されているのか、大介にはその全貌がつかめつつあった。

本格的に反抗に出る時期だった。

そんなときなのだ。

足元で思わぬ事態が発生したのは。

「玲佳ちゃん、何か隠してるんじゃないのかい。お願いだ、全部教えてくれ」

大介は玲佳が何かを迷っていると感じた。

その事実を告白すべきか、どうか、と。

店の営業前、朝の早い時間だった。

対面する若い女性スタッフは、やがてがっくりと体を崩し、泣き始めた。

「玲佳ちゃん・・・・・・・」

大介は彼女に寄り添い、その肩をやさしく抱いた。

大介の胸に飛び込み、玲佳は体全体を震わせて、激しく泣いた。

玲佳が全てを話したのは、その涙が枯れた後だった。

昨夜この店で起きたこと、何枚もの写真、映像。

それを撮影した男たちが、この仕事を辞めることを玲佳に要求したこと。

そして、リーダー格の男の名前。

上向きにある大介のカフェを妨害しようという、堀内の魂胆はあきらかだった。

「堀内、絶対に許せない・・・・・」

再び泣きじゃくり始めた玲佳の肩を抱きながら、大介は決意を固めた。
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