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Could you walk on the water ?
第11章 夫の目の前で
「大介、しっかり見ておけよ。奥さんの本当の姿が今夜わかるはずだ」

堀内の指先が、沙織のシャツ、スカート、そこから覗く膝、そして頬から首筋の辺り、とあらゆる場所を責め始める。

指先でただ線を辿るだけのその仕草は、徹底的に女性を焦らすようであった。

「堀内さん、本当に困りますから・・・・・・・・・」

迷惑そうに時折肢体を震わせ、人妻は腕で彼の接近を何度も払いのけようとする。

いつものように、うっすらとした化粧を施した人妻の表情には、特徴的な牝猫のような瞳がある。

つんと立った鼻筋、形よく僅かにとがった顎。

肩のあたりにまで届く髪は、染められることもなく、美しい黒髪をたたえている。

白いシャツに黒色のタイトスカートというその格好は、人妻にOLか女教師と似た雰囲気をも与えている。

膝丈のスカートから伸びた美脚は、ぴたりと閉ざされている。

あの寮内で披露する奔放な格好とは全く対極な服装に包まれた人妻の裸体を、男はいつも以上の興奮を伴って想像しているようだった。

「奥さん、もうどきどきしてるんじゃないですか」

堀内の左手が、人妻のくびれた腰から脇腹で何度も線を描く。

「そんなこと、ありませんわ・・・・・・・・」

あくまでも視線を避け、顔をうつむけつづける人妻の顎を、堀内がとる。

至近距離で見つめあう格好で、2人はソファの上で肢体を密着させていく。

「キスしてください、奥さん・・・・・・・」

「主人が・・・・・・・、主人が見ています・・・・・・・・」

「旦那がいない場所ならするってことですか、奥さん・・・・・・・」

堀内の右手の指が、沙織の膝頭をなぞるように動く。

「堀内さん・・・・・・・、いじめないでください・・・・・・・・・・」

「女の悦びを私が今夜、教えてあげますよ、奥さん」

「そんなもの・・・・・、そんなもの知らなくていいですから・・・・・・」

人妻は敵対物を見つめる牝猫のように鋭い視線で、堀内を見つめる。

男の指先が、人妻の美脚の隙間に静かに滑り込んでいく。
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