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Could you walk on the water ?
第3章 再会
トンネル工事現場は、予想以上に大規模なものだった。

100名を超すと思われる作業員が、ヘルメット姿でせわしげに歩きまわっている。

巨大なショベルカー、様々な重機が、何台も置かれている。

ぎらぎらと照り付ける夏の日差しが、労働者たちのたくましさを際立たせていた。

「ここが堀内の現場か」

車を止めた大介は、周囲をじっくりと観察した後、付近に立つ巨大な建物を見た。

「また随分立派なものを建てたもんだな」

ここで働く従業員の宿舎として、臨時に建設された巨大なプレハブ小屋だった。

といっても、3階建ての高さを誇り、とても小屋というサイズではない。

「こんなところ、通うことなどできないからな。住んでもらうしかないんだろう」

宿舎に近づく夫の後を、沙織は額に汗を浮かべながら黙ってついていく。

白地の半そでブラウスにも、うっすらと汗がにじんでいる。

美脚を包んだ白いデニムは少し歩くだけで、周辺の土埃に汚れてしまいそうだ。

宿舎の中を覗いた大介は、巨大な食堂らしきものがあることに気付いた。

50人は軽く収容できそうな食堂だ。

一日の労働を終えた男達が、そこでわいわいと夕食をとる光景を大介は想像した。

そのときだった。

「大介、おい大介だろう、お前?」

背後からかかったその声の主が誰か、大介には瞬時にわかった。

数十年ぶりに会う幼馴染、堀内雄三がそこにいた。

引き締まった筋肉質の体躯は、180センチを優に超す。

よく日に焼けた顔には、かつての彼にはなかった自信がこれ以上なく溢れている。

「お前がこっちに戻ってきたことは、風の噂で聞いていたよ」

「久しぶりだな。堀内」

明らかに圧倒されながら、大介はどうにか口を開いた。
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