この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
Could you walk on the water ?
第3章 再会
「大介、おまえ、リストラされたそうじゃないか」

宿舎のそばで立ったまま、堀内は会話を続けた。

旧友を建物の中に招き入れようというつもりは、さらさらないようだった。

「まあ、いろいろあってな」

自分の立場をいったいどう説明すべきか、大介にはまるでわからなかった。

「わからないもんだ。学生時代、クラス1、2を争う優等生の相本大介が43才で無職。かたや、問題児だった堀内雄三が、この地方を背負って立つ企業の社長」

会話のペースは、完全に堀内が握っていた。

大介は感じていた。

この男は、過去の復讐を果たそうとしているのだ、と。

「それで大介、お前、何やるつもりなんだ、こんな僻地で」

いつの間にか、堀内の背後に数人のヘルメット姿の従業員が集まっている。

茶髪で10代と思えるような若者も何人かいた。

にやにやと笑いながら、社長の背後から、大介のことを見つめている。

いや、そうではなかった。

彼らは、大介の背後に隠れるように立つ、人妻の姿を舐めるように見つめていた。

「こんなところで、お前みたいな優等生が働ける場所なんか、残念ながらないぜ」

「・・・・・・・」

「それとも俺のところで雇ってやろうか。まあ1日ともたないかもしれんが」

堀内の言葉に、背後に立つ従業員たちがどっと笑った。

「堀内、俺のことには構わないでくれ。沙織、さあ行こう」

大介は、それ以上、屈辱の場にいることができなかった。

妻の手を引き、大介は足早にその場を立ち去ろうとした。

「失礼します・・・・」

去り際に、沙織は堀内、そしてそこにいる若者たちに対し、殊勝に頭を下げた。

急ぎ夫についていく人妻の背中に、若者たちの口笛の音が重ねられた。
/117ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ