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Could you walk on the water ?
第14章 決意
「決心したよ、俺は」
「兄さん・・・・」
目の前の兄の姿に、剛は尋常ではない雰囲気を感じていた。
こうして兄とじっくり話し合うのも久しぶりだった。
その間にいったい何が起こったのか、剛は何度も兄に問いただしたが、兄は詳しく話そうとはしなかった。
髪も服装も乱れた兄の姿は、ほんの数か月前の雰囲気とは別人だった。
「どうしたっていうんだ、兄さん・・・・」
「堀内・・・・・・、あいつは絶対に許せない・・・・・・・・」
「兄さん、何をされたんだ、彼に・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
「何かひどいことでも・・・・・、まさか、姉さんに何か」
「お前には関係ない!」
剛には、兄、大介の変貌をコントロールすることができなかった。
「とにかく・・・・、俺は決めたんだ、剛・・・・・・・・・・・」
声のトーンは抑えながらも、その決意にはもう何の妥協の余地もないようだった。
「あの男が俺の人生をめちゃめちゃにしやがった・・・・・」
「兄さん、待って、冷静になるんだ」
「俺は冷静だよ、剛・・・・・・・・」
「姉さんには相談したのかい。兄さんの決意を?」
兄の考えが皆目見当のつかないまま、剛はそう聞いた。
「沙織を守るためなんだ、これは。沙織のことを・・・・・・・・・・」
「だったら、兄さん。俺に何か協力できることはないかな・・・・・・・」
一瞬の静寂の後、大介はまぶしそうに弟を見つめ、そして、昔と変わらぬ優しい口調で答えた。
「剛。お前を巻き込むわけにはいかない。お前はお前の人生を生きるんだ」
「兄さん、おい、変なことを考えるのは・・・・・」
その言葉を最後まで聞くことなく、大介は剛のもとを立ち去った。
剛は、そのままテーブルに座り続けた。
残された剛の表情には、何かに迷うような気配があった。
大介は勿論、弟のその表情を見ることはなかった。
「兄さん・・・・」
目の前の兄の姿に、剛は尋常ではない雰囲気を感じていた。
こうして兄とじっくり話し合うのも久しぶりだった。
その間にいったい何が起こったのか、剛は何度も兄に問いただしたが、兄は詳しく話そうとはしなかった。
髪も服装も乱れた兄の姿は、ほんの数か月前の雰囲気とは別人だった。
「どうしたっていうんだ、兄さん・・・・」
「堀内・・・・・・、あいつは絶対に許せない・・・・・・・・」
「兄さん、何をされたんだ、彼に・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
「何かひどいことでも・・・・・、まさか、姉さんに何か」
「お前には関係ない!」
剛には、兄、大介の変貌をコントロールすることができなかった。
「とにかく・・・・、俺は決めたんだ、剛・・・・・・・・・・・」
声のトーンは抑えながらも、その決意にはもう何の妥協の余地もないようだった。
「あの男が俺の人生をめちゃめちゃにしやがった・・・・・」
「兄さん、待って、冷静になるんだ」
「俺は冷静だよ、剛・・・・・・・・」
「姉さんには相談したのかい。兄さんの決意を?」
兄の考えが皆目見当のつかないまま、剛はそう聞いた。
「沙織を守るためなんだ、これは。沙織のことを・・・・・・・・・・」
「だったら、兄さん。俺に何か協力できることはないかな・・・・・・・」
一瞬の静寂の後、大介はまぶしそうに弟を見つめ、そして、昔と変わらぬ優しい口調で答えた。
「剛。お前を巻き込むわけにはいかない。お前はお前の人生を生きるんだ」
「兄さん、おい、変なことを考えるのは・・・・・」
その言葉を最後まで聞くことなく、大介は剛のもとを立ち去った。
剛は、そのままテーブルに座り続けた。
残された剛の表情には、何かに迷うような気配があった。
大介は勿論、弟のその表情を見ることはなかった。