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Could you walk on the water ?
第15章 挑発
「懲役5年の実刑か。仕方ないな、大介」
堀内と会うのは、あの夜以来だった。
妻がこの男に限界にまで犯された、あの夜だ。
既にあれから1年以上もの月日が経過しようとしている。
「よく面会要請に応じてくれたな、大介。拒否されるかと思っていたんだが」
金網越しに座る相本大介を見つめ、堀内は淡々とした口調で言った。
「元気そうじゃないか。少なくとも見た目は全く変わっていない」
そう話す堀内は、恰幅のよさが更に増したかのような、妙な自信にあふれていた。
「堀内、お前に言いたいことがあってな。だから面会に応じたんだ」
「ほう、そうかい」
禁煙ではあるが、面会者の特権を活かすように、堀内は手の中でたばこの袋を握りつぶしながら、言葉を続けた。
「俺は被害者なんだぜ、大介。お前に放火で殺されようとしたな。そんな被害者がわざわざ隣の県にまで足を運んでやってるんだ。もう少し殊勝な態度を見せたらどうだ、ええ?」
「笑わせるな、堀内」
塀の中にいながら、大介は以前をも凌駕する鋭さをその視線に漂わせていた。
「お前に謝罪する義務など、俺にはない」
「何だと?」
「俺はいつまでもお前を許さない。それだけをお前に言いたくてな。何年かかろうと、いつかは俺はここから出るんだ。そのときを楽しみにしてるんだな」
「お礼参りってやつか。そんなこと言ってたら、いつまでたってもここから出られないぜ、大介」
堀内がほくそえみながら、用意してきたA4サイズの封筒を取り出す。
「大介、お前の話はそれで終わりか。恨み言をいいたかっただけか。妻を寝取った男に対して」
そこまで言うと、堀内はこらえきれない様子で笑い始めた。
「笑うな・・・・・、笑うんじゃない、堀内・・・・・・・・・・・・・」
大介の制止を無視し、男はどこまでも笑い続ける。
そして、封筒の中から何枚かの大きな紙片を取り出す。
堀内と会うのは、あの夜以来だった。
妻がこの男に限界にまで犯された、あの夜だ。
既にあれから1年以上もの月日が経過しようとしている。
「よく面会要請に応じてくれたな、大介。拒否されるかと思っていたんだが」
金網越しに座る相本大介を見つめ、堀内は淡々とした口調で言った。
「元気そうじゃないか。少なくとも見た目は全く変わっていない」
そう話す堀内は、恰幅のよさが更に増したかのような、妙な自信にあふれていた。
「堀内、お前に言いたいことがあってな。だから面会に応じたんだ」
「ほう、そうかい」
禁煙ではあるが、面会者の特権を活かすように、堀内は手の中でたばこの袋を握りつぶしながら、言葉を続けた。
「俺は被害者なんだぜ、大介。お前に放火で殺されようとしたな。そんな被害者がわざわざ隣の県にまで足を運んでやってるんだ。もう少し殊勝な態度を見せたらどうだ、ええ?」
「笑わせるな、堀内」
塀の中にいながら、大介は以前をも凌駕する鋭さをその視線に漂わせていた。
「お前に謝罪する義務など、俺にはない」
「何だと?」
「俺はいつまでもお前を許さない。それだけをお前に言いたくてな。何年かかろうと、いつかは俺はここから出るんだ。そのときを楽しみにしてるんだな」
「お礼参りってやつか。そんなこと言ってたら、いつまでたってもここから出られないぜ、大介」
堀内がほくそえみながら、用意してきたA4サイズの封筒を取り出す。
「大介、お前の話はそれで終わりか。恨み言をいいたかっただけか。妻を寝取った男に対して」
そこまで言うと、堀内はこらえきれない様子で笑い始めた。
「笑うな・・・・・、笑うんじゃない、堀内・・・・・・・・・・・・・」
大介の制止を無視し、男はどこまでも笑い続ける。
そして、封筒の中から何枚かの大きな紙片を取り出す。