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Could you walk on the water ?
第15章 挑発
「大介、見たいか、これが」

大介には、堀内が持っているものが何なのか、すぐにわからなかった。

「写真だよ」

「写真?」

「ああ、奥さんのな・・・・・・」

「沙織の写真?」

狼狽した大介に見せつけるように、堀内はゆっくりとその紙を披露し始めた。

「お前・・・・・・・・・・」

言葉を失ったまま、大介は、その場で固まった。

写真は全部で5枚、全てモノクロで撮影されたものだった。

ベッド上で仰向けになっている妻の写真がある。

上半身は裸で、美しく整った乳房が剥き出しになっている。

2枚目は同じ構図だが、自分の指を舐めるようにする妻の表情は、明らかな恍惚の色に支配されていた。

裸の妻を下方から見上げた写真もあった。

それは、騎乗位になった人妻の姿を、下方から撮影したようにも見えた。

より濃厚な歓喜の表情で、髪を激しく乱すほどに、妻は額、そして全身を汗で濡らしている。

乳首が快感を隠しきれないように、形よく勃っている。

4枚目は男のものをしゃぶり、苦しげな表情を浮かべる妻の顔のアップだった。

そして最後は、恐らくは妻のものだろう、濡れ光る女の美唇の拡大写真であった。

「抱けば抱くほどいい女になるぜ、奥さんは」

「・・・・・・・・・・・・・・」

「もう、俺なしじゃ生きていけないそうだ。自分から俺を呼び出すんだぜ」

「・・・・・・・・・・・・・・」

「ほら、この写真。奥さんの声が聞こえてきそうだろう。イクって・・・・・」

「貴様・・・・・・・・・・・・・」

「奥さん、もう何度も天国に連れて行ってやったぜ。それにな、大介、奥さん、はっきりと言っていたよ」

「沙織が・・・・・・・・・・・」

「主人より、俺に抱かれる方がいいってな・・・・・・・・・・・・」

打ちひしがれた様子の大介に、堀内は最後の言葉を投げた。

「せいぜい、この写真を思い出してオナニーでもしてるんだな。じゃあ、いくぜ」

「おい、君!」 

面会室での二人の様子を知った刑務官が慌てて飛び込んできたときには、堀内は既に立ち去ろうとしていた。

残された男の高らかな笑いが、収監者の胸に残酷なまでに刻み込まれた。
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