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Could you walk on the water ?
第16章 秘密計画
春までの月日を自分がどう過ごしたのか、大介にはっきりした記憶はない。

刑務所に収監されて最初の冬であった。

想像していたほどには厳しくなかったが、やはり薄い布団には苦しめられた。

何人かの知り合い、旧友が、面会に訪問してくれた。

「相本、いったいどうしたんだ!」

東京で共に働いた同僚たちも、何人かがこの遠方の地にまで来てくれた。

互いが涙を流し、このような場所での再会を受け入れようとはしなかった。

何人かの面会者の中に、カフェの女性スタッフも1人いた。

「店長、心配しないで。カフェはまた盛り返してきましたよ!」

橋口玲佳は、どこまでも陽気な風に、大介に伝えた。

「玲佳ちゃん、すごいな。もう完全に玲佳ちゃんのお店だぜ」

「何言ってるんですか。あそこは店長のお店です。私、ずっと店長の帰りを待ってますから」

「そうか・・・・・、そうだったな・・・・・・・」

「はい・・・・・・・」

涙を浮かべる玲佳を慰めながら、大介はふと思いついたように、言葉をかけた。

「玲佳ちゃん、悪いんだけど、一つお願いがあるんだ」

「お願い、ですか?」

会話が記録されていることを意識しつつ、大介は慎重にその要請を玲佳に伝えた。

戸惑った様子の玲佳だったが、最後には明るい表情を取り戻していた。

「店長の言っていることが理解できたのか不安ですけど・・・・・・・・。わかりました。できる限りのことはやってみますね」

「ありがとう」

玲佳の後姿を見つめながら、大介は安堵と共に苦悶の色をその表情に浮かべた。
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