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誘淫接続
第2章 第十の接続
 麻琴は陶芸とは全く無縁の文学部出身で、この教室で働くまで陶芸用の粘土など触れたこともなかった。もちろん入社して最初の研修でひと通り作品の作り方は教わっているものの、それでも大したレベルではない。とりあえず、正しい手順を踏まえてそれなりに形にはできるくらいの腕前でしかない。

 今日もアルバイトの数が足りず、麻琴はいつものようにジーンズにスウェット、デッキシューズ、そしてエプロンといった、土で汚れても構わない服に着替えて、直接教室に入って受講生の指導にあたっていた。

 だが、麻琴が『熱い』のは質問攻めにされ、ひっきりなしに歩いているからではない。
 服の下に――
 貞操帯を装着したままだからだ。
 ジーンズの中に――
 ショーツで覆って。

 貞操帯の二つの淫具や、肉芽を挟みこむ突起は一切動いてはいない。
 それでも、動いていないとしても、花弁と尻穴にそれぞれバイブが突き刺さり、肉芽を常に軽くつままれているような状態が、勤務中にずっと続いているのだ。

 麻琴は、貞操帯をつけて仕事をするのを自ら望んだわけではない。
 ネットの向こう側にいる『ご主人様』から、昨晩受けた命令だ。
 仕事中に職場で堂々と装着するのは初めてのことだった。

 貞操帯を遠隔操作するスマホアプリは終了したままにするよう言われたので、仕事中に突然淫具が麻琴の股間を責め始めることはない。アプリが終了していると『ご主人様』であっても遠隔操作はできない。

 『ご主人様』は仕事中の麻琴を、淫具を動かして責めるつもりはないのだ。
 装着すること、それだけが命令だった。
 だから麻琴は、一日くらいなら耐えられるだろう、と思っていた。
 ところが、そうではなかった。
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