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誘淫接続
第1章 第九の接続
 本当は、我慢ぜず大声で喘ぎたい。
 しかし、壁の薄いワンルームマンションでは隣戸に聞こえてしまうだろう。
 今にも秘宮の奥の芯が悦楽の衝撃を、麻琴の全身隅々にまで解き放とうとしている。

 今日初めて――
 深夜に『貞操帯をつけたまま外出しろ』という命令を実行した。
 シャワーにも入ったのに、わざわざ着替え、化粧までして――。
 ただそれだけのことでも麻琴は十分たかぶった。その上あろうことか警官に抱えられながら絶頂までしてしまった。
 そのことが麻琴の頭をよぎるたび、より一層身体は過敏になっていく。

 その時、花弁と尻穴に埋められた二つの棒の振動が、同時に止まった。
 「いやっ……!」
 思わず麻琴の口から声が漏れ出す。
 まただ。
 もう、何度目だろう。

 ――い……
 ――いきたい……
 ――いかせて、お願い、いかせていかせて……!
 さっきから麻琴は貞操帯の淫具によって快楽の波を送り込まれながら、破裂寸前で繰り返しそれをせき止められ続けていた。
 下手に痛みを与えられるより、よほど苦しい。

 貞操帯を操作しているのは――
 チャットの相手だ。
 スマホのアプリを使いインターネットを通して麻琴の身体を責めているのだ。

 麻琴は、相手の男を『知って』はいるが、素性は『知らない』。
 SNSで知り合っただけで、会ったこともない。
 もちろん、どこに住んでいるのかも、声も顔も分からない。
 年齢は四十二と言っていたが、本当かどうかも定かではない。
 もっとも相手の男にとっても同じことで、麻琴は顔も見せていないし、声も聞かせていないし、住所も教えてはいない。
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