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誘淫接続
第4章 切断
 アプリがない以上、この貞操帯を動作させることは絶対にできないのだ。
 苦しい。
 焔は燃え上がるだけ燃え上がっているのに、身体を燃やし尽くすことはできないのか。

 > もう一度インストールさせてください
 > あれはすぐに用意できるシロモノじゃない
 > そんな・・
 > 勝手に消したお前が悪いんだろうが
 > ・・ごめんなさい

 勝手に音信不通になったのは『ご主人様』の方ではないか――とは、麻琴は思わなかった。
 そんなことは頭に浮かびもしなかった。
 早く。
 早くこの人に。
 責められたい。
 それしか考えていなかった。

 > 用意できるまで焦らしてやる
 > え・・?
 > 明日、貞操帯をつけたまま仕事に行け
 > わかりました・・

 明日は――土曜日だ。
 麻琴は『ご主人様』とのチャットを終えたあと、貞操帯を外した。
 そして自分の体液で汚れてしまった貞操帯を、バスルームで丁寧に隅々まで洗った。

 麻琴の身体は、依然たかぶったままだった。
 ――いきたい……。
 麻琴は『ご主人様』の『焦らしてやる』という言葉を思い出した。
 オナニーをするなとは言われていない。
 今触れば、簡単に絶頂しそうだった。
 しかし、麻琴は耐えることにした。

 興奮に身体を皮膚の内側からかきむしられ、それを解放してやらないと苦しみは続く。
 それでも耐えた。
 苦しみに耐えている自分に、麻琴はまた興奮した。そして苦しみはますます大きくなった。
 麻琴はほとんど眠ることができないまま、土曜の朝を迎えた。
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