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誘淫接続
第5章 接近
とはいえエプロンのポケットは大きく口もゆるいので、その気になれば誰だって麻琴の隙を見て入れるのは簡単だ。
月曜といえば、この教室も含めて全教室の一斉定休日だ。麻琴たち社員も基本的に休暇である。
ただでも脈が速いままなのに、麻琴の心臓はさらに鼓動を速めた。
――どうして……
――こんなにタイミング悪いんだろ……
『ご主人様』がいなくなった時に誘って欲しかった。
その間、何度か隆一とは顔を合わせてるのに、隆一は何のそぶりも見せてくれなかった。
先に誘ってくれていれば、『ご主人様』のことなどあっさり捨ててやったのに。
いや、あんな怖い目に遭ったんだから、突然戻ってきた『ご主人様』など今からでも捨てるべきではないのか。
本当にそうだろうか――?
今も――
両方『欲しい』と思っている。
あれこれと思い悩んでいるようなふりをしながら、『ご主人様』から与えられる快楽と、隆一からもたらされるときめきと、どちらも離したくないと思っている。
――でも……
隆一はデートだとはひと言も言っていない。
麻琴に好意を持っているがための誘いとは限らないのだ。
このまま、ずっとずっと、このトイレの中で、『ご主人様』の命令でつけた貞操帯の羞恥心に翻弄されながら、何の誘いか分からないまま不安で居続けたい――そう思った。
そうは言っても、仕事を放り出すわけにもいかない。
麻琴は紙片をジーンズのポケットにしまい、トイレを出て教室へ向かった。
その時、廊下の向こうからやってくる隆一の姿が麻琴の目に入った。
麻琴はかすかに身体をびくつかせた。
月曜といえば、この教室も含めて全教室の一斉定休日だ。麻琴たち社員も基本的に休暇である。
ただでも脈が速いままなのに、麻琴の心臓はさらに鼓動を速めた。
――どうして……
――こんなにタイミング悪いんだろ……
『ご主人様』がいなくなった時に誘って欲しかった。
その間、何度か隆一とは顔を合わせてるのに、隆一は何のそぶりも見せてくれなかった。
先に誘ってくれていれば、『ご主人様』のことなどあっさり捨ててやったのに。
いや、あんな怖い目に遭ったんだから、突然戻ってきた『ご主人様』など今からでも捨てるべきではないのか。
本当にそうだろうか――?
今も――
両方『欲しい』と思っている。
あれこれと思い悩んでいるようなふりをしながら、『ご主人様』から与えられる快楽と、隆一からもたらされるときめきと、どちらも離したくないと思っている。
――でも……
隆一はデートだとはひと言も言っていない。
麻琴に好意を持っているがための誘いとは限らないのだ。
このまま、ずっとずっと、このトイレの中で、『ご主人様』の命令でつけた貞操帯の羞恥心に翻弄されながら、何の誘いか分からないまま不安で居続けたい――そう思った。
そうは言っても、仕事を放り出すわけにもいかない。
麻琴は紙片をジーンズのポケットにしまい、トイレを出て教室へ向かった。
その時、廊下の向こうからやってくる隆一の姿が麻琴の目に入った。
麻琴はかすかに身体をびくつかせた。