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誘淫接続
第5章 接近
 「事務室に横になれる場所ありますか?」
 隆一が心配そうに問いかける。
 そして隆一はあらためてしっかりと麻琴の体を支えた。
 隆一の体は、固く頼もしかった。
 線の細い体であっても、男性の筋肉が持つ力強さを感じる。
 ――ごめんなさい……ごめんなさい……

 ふと麻琴の脳裏に、深夜の公園で警官に同じように支えられながら絶頂した時のことがよぎった。
 ――隆一くんに同じこと……
 ――したくない……!
 麻琴は必死の力で隆一を振り払い、教室の外へ駆け出していった。

    ※  ※  ※

 麻琴は女子トイレの個室に駆け込んだ。
 ふたが閉まったままの便座に座り、激しく肩で息をしていた。
 トイレ近くまで来たとき、貞操帯の淫具の動きは止まった。
 遠隔操作の圏外に出たのだろう。

 麻琴は腰を上げジーンズをずらし、ショーツの脇をめくった。
 やはり、いつの間にか貞操帯の南京錠にランプが点いている。
 教室にいる間に、誰かが――『ご主人様』が――遠隔で施錠したのだ。
 もう貞操帯を脱いで外すことは、できない。
 麻琴は混乱しつつ、急に怖さにも襲われ始めた。

 ――帰ろう。
 ――とにかく、今すぐ家に帰ろう……!
 麻琴はショーツとジーンズを直し、便座から立ち上がった。

 その時、突然また責め具が激しく動き出した。
 「んぐ……うんっ……!!」
 思わず声が漏れる。
 ――そんな……!!
 快楽によるものではない震えに全身が覆われる。
 ――すぐ近くに……!
 ――すぐ近くに……!!
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