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あたしの王子、俺だけの姫
第6章 年末

「有希、年末年始のことなんだけど....」


仕事から帰宅して、リビングで問題集を解いている有希に声をかけた。


「ん....ちょっと待っててね」


辞書を引きながら返事だけ。
仕方がないのだが、少し寂しい....


文句を言って、自分の部屋に籠って勉強される方が有希の姿が見えないからもっと辛くなる。
から、グッとこらえる。
抱き締めたい衝動も押さえる。


俺の忍耐、あるときとないときがある。
....って、気づかされた。不安定な忍耐。多分、有希限定。


『よし、オッケー』
と、キリがついたのだろうか有希はひと息ついた。
ソファーにもたれ掛かって伸びをする。
その横に俺も座った。


「で、なに?年末年始はみんなで集まるの?」


床に座ったままの有希が見上げて聞いてくる。
俺は自分の膝の上に座らせるように両脇に手を入れで引っ張りあげた。
お風呂上がりなんだろう。ショートヘアの有希の髪が揺れるとシャンプーの香りが届いた。


「あぁ、親父のお陰で31日から1日にかけて受験勉強の疲れを取ってもらいたいと思ってね。ホテルに泊まりで寛げるように計画中なんだよ。....二人でゆっくり過ごそうな」


ギュッと抱き締めて、有希のこめかみにキスを落とす。俺にもたれ掛かる有希は驚いている。


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