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あたしの王子、俺だけの姫
第6章 年末
31日、ホテルの部屋。
「コータ....レストランでの食事、本当に美味しかった。ありがとうね」
食事を終えて部屋に戻るとソファーへダイブするようにもたれ掛かるのは有希。
「気に入ってくれたならそれで良いよ。....あ、なにか飲む?」
キッチンへ回り、お湯が沸いているか確認する。
「え?いいよ。もうお腹いっぱいだもん」
「そう?」
遠慮しているのか、お腹をさすりながら答える有希。
一応、温かい飲み物を用意しようと動く。
「あ~幸せすぎ。このまままったりしていると今まで身に付けた知識飛んじゃいそう....」
『参考書....見たくなった』
思い腰をあげるようにゆっくりと立ち上がりチェストに置いた鞄まで歩いていく有希。
「今日と明日は勉強しないって約束でしょ?少しは休ませないと、試験当日倒れちゃうよ?」
キッチンから声をかけても鞄のなかをガサゴソと探しているから俺も傍に行きその手を止める。
「参考書も大切。だげど、今日は俺の方がもっと大切....でしょ?」
「コータ....」
有希が振り向いたと同時に触れるだけのキスをする。