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あたしの王子、俺だけの姫
第6章 年末


「有希、お風呂沸いたから入っておいで」


ベッドルームで待つ有希に声をかけたのだが、返事がない。
時計を見ると10時前。


ベッドに座らせてから離れたから、まだ其処に居るはずだと思ったのだが....。


「有希?」


ベッドに近づきながらもう一度声をかける。
と、横たわった有希がいた。


どうやらお腹が満たされて眠りについたようだ。
このままでは、一緒に眺めようと思った年越しの花火が見られない。


有希には可哀想だが、起きてもらうしかない。


「有希....お風呂沸いた。入るよ」


「ンッ....」


可愛い寝息をたてるだけで目が開く気配はない。
動いた唇が俺を煽る。今すぐ口付けたい衝動が....


「お風呂、入るよ。....なんなら、俺と一緒に入る?」


横向きで寝ている有希の肩を揺すり、頬を撫でる。だが、有希が起きる気配はない。


「湯船に浸かっていたら、目が覚めるか?....ま、先に俺が入ってくるよ。洗い終わったら有希を迎えに来るからね。ちょっと待ってて」


俺が声をかけても起きそうもない有希に『チュッ』と触れるだけのキスをして、俺はまたバスルームに戻った。


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