この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
あたしの王子、俺だけの姫
第6章 年末
「有希、お風呂沸いたから入っておいで」
ベッドルームで待つ有希に声をかけたのだが、返事がない。
時計を見ると10時前。
ベッドに座らせてから離れたから、まだ其処に居るはずだと思ったのだが....。
「有希?」
ベッドに近づきながらもう一度声をかける。
と、横たわった有希がいた。
どうやらお腹が満たされて眠りについたようだ。
このままでは、一緒に眺めようと思った年越しの花火が見られない。
有希には可哀想だが、起きてもらうしかない。
「有希....お風呂沸いた。入るよ」
「ンッ....」
可愛い寝息をたてるだけで目が開く気配はない。
動いた唇が俺を煽る。今すぐ口付けたい衝動が....
「お風呂、入るよ。....なんなら、俺と一緒に入る?」
横向きで寝ている有希の肩を揺すり、頬を撫でる。だが、有希が起きる気配はない。
「湯船に浸かっていたら、目が覚めるか?....ま、先に俺が入ってくるよ。洗い終わったら有希を迎えに来るからね。ちょっと待ってて」
俺が声をかけても起きそうもない有希に『チュッ』と触れるだけのキスをして、俺はまたバスルームに戻った。