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あたしの王子、俺だけの姫
第9章 秘密
コータにしがみついて首元で肩を震わせれば、いつもの優しい声と腕であたしを包み込んでくれた。
「どうせ、俺の事気にして話すの渋ってたんだろう?有希の考えてることなんてお見通し。藤城に話してる時点でバレてるんだから....気付くのおせーよ」
「コータぁ~」
これでもか!ってくらいコータに引っ付いて『ごめんね』と謝る。
そんなあたしの頭をポンポンしてくれるコータの手は怒っていないのがわかるし、安心する。
「で、何処にしたの?俺の可愛い奥さんは」
「コータが行ったとこ....カナダ....」
「あぁ....やっぱり?」
「....コータ、知ってたの?」
「いや?」
「え?じゃあ何で?」
「寝言で....有希、俺に謝ってるもん。『カナダに行くけど、コータに言えなくねごめんね』ってさ」