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あたしの王子、俺だけの姫
第10章 妊娠


秋になり、銀杏並木は遠くから堪能したい頃。
あたしの体調がおかしいことに気づいたのはコータだった。


いつものように過ごしていたつもりでも、身体の怠さはあった。
夏の疲れが出たのだとばかり思っていて、薬局で女性用の健康食品を飲んでやり過ごしていた。


「有希....最近それよく飲んでるよね」


丁度手にしていたのはアミノ酸やコラーゲンが摂取できるドリンク。


「うん....夏の疲れなのか、食欲の秋で食べすぎなのかわかんないんだよね」


お腹をさすりながら『少しぽっこりしてきた?太ったかな?』なんてふざけてみた。
だけど、コータの顔は至って真面目。


ありゃ?
奥さんがおデブだと悲しくなるか....


「コータもおデブは嫌だよね....最近食べすぎだとは思ってたんだけど、今日から控えるね。ダイエットしなくちゃ」


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