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あたしの王子、俺だけの姫
第2章 愛情

「まぁ、兎に角だよ。男っ気も何もなかった有希がね、意識するような殿方が現れたと」


すみれが言うと


「言い方が古くさぁーい」


梢がちちゃをいれる。


「登志彦さんの声だけで満足していたのに....有希....大人になったのね.....イヤ、なるのね.......」


あんずが目頭を押さえながらしみじみという。


「やめてよ、その言い方........」


あたしが止めに入ると、


「いいんじゃない?」


やり取りを見つめていた亜季が肯定した。


「え?」


「だから、有希が御曹司に気に入られたこと。そんな出会いでもなければ、きっと恋することなかったと思うしさ」


「亜季....」


「バスケやイケメンボイスの登志彦さんだっけ?その二つで有希が幸せになれないとは言わない。けれど、女の幸せはそれだけじゃないんだからさ」


「そ、そうかな....」


亜季が真面目な話をして来たから、あたしも姿勢をただす。


「夏休みに入ったら、有希の新居でお泊まり会だからね!どこかの土日は部活休みの時があったはずだしね」


「「「わーい!賛成~!!」」」


あたしと亜季以外の元気な声が店内に響いた。


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