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あたしの王子、俺だけの姫
第2章 愛情
『トン、トントントントン』
キッチンからリズムの良い音が聞こえる。
ん?もう朝か?
っていうかドアが開いてるのか?
『藤城さん。ちょっと良いですか?』
『はい、有希さん。なんでしょうか?』
お?
有希と藤城が何か話してるな。
『あ....あのですね。夏休みになったら、友達が4人遊びに来るっていうか、泊まりに来たいって言ってるんですが....』
『はい、食事の準備ですね。畏まりました。お友達の苦手な食材などございましたら教えていただけますか?』
『え?良いんですか?....あたしが出来ないばっかりに藤城さんに何から何までお世話になって....』
『いいのですよ。何でも頼ってください。浩太さんの我が儘に付き合っていただいているお礼も兼ねていますので。ご心配なさらずに』
ふーん。有希の友達が来るのか....。
つーか、俺の我が儘にって........まぁ、そうなるか。
俺はまだ寝ている頭で聞こえる声を理解していく。
『コータってほんとに何にも出来ないんですか?』
『浩太さんは全ての能力が仕事に向いていますからね。仕込むのは....有希さんにお任せします』
『え?あたしが?....ん~どうだろう。コータは器用そうで仕事以外ダメっぽいしなぁ....』
『そのコメントについては、発言を控えさせてもらいます』
『あ!藤城さん逃げたなぁ~。おっと、もうこんな時間だ!じゃあ、行ってきます!』
『はい、いってらっしゃい。お気を付けて』