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あたしの王子、俺だけの姫
第4章 受理
「い、いや....キッチンに行こうとしたら....知らない男の声がしたからさ....」
「だからって、突然ドアを開けなくてもいいじゃん!!」
恥ずかしさと怒りで頬が赤い有希。
下着姿で叫ぶ姿が....なんというか、可愛く見えて....。
だけど、聞こえていた男の声も気になって....自然と有希の傍に近づきながら問いただす。
「有希....今の男の声は、誰?」
「え?コータは知らないと思うけど....」
「俺が知らなくても良いから教えて」
俺は一歩ずつ近付く。
有希は少し逃げ腰。
「....えっと....ね」
「有希」
有希の机に両手をついて囲うように追い詰める。
有希は観念したのか、ゆっくり話し出した。
「....吉木登志彦さんっていってね....声優なの」
「は?」
「あ、あたしが今一番好きな声優さんなの。登志彦さんってね、すっごい色っぽい声を出すの。コータに負けないバリトンボイスでね、この声を聞くととろけちゃうくらい聞き惚れるの。部活で疲れたときとか、試合で負けたときとか....兎に角、へこんだ時に登志彦さんの声を聞くと元気になるの。でね、新しいCDが発売するっていうから予約していてね、今日の帰りに取りに行って、待ちきれないから着替えながら聞いていたんだけど........って、コータ?....どしたの?」
あまりにも勢い良く語り出す有希に圧倒されて俺は何も言えなかった。