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翻弄の果てに
第13章 家族〜いのちの誕生〜
はしゃぎ過ぎたのか、車酔いした未来のために、何度か車を停めた。

それでも、目的地に到着すると、具合いが悪かったことが嘘のように、未来は元気に走り回っては、可笑しいくらいよく転んだ。

祥子はドッシリと構え、転がっては立ち上がり走り回る未来を映像に残し、俺は、ハラハラしながら未来を追いかけていた。


散々はしゃいで疲れたのか、未来は今、母親の膝枕で、スースーと寝息をたてている。


『あたしね…』

祥子がぽつりと話し始めた。

あたし、早く悠太さんの子供が産みたかったの。
だから、こっそり病院にも通ってね。子供がちゃんと作れるか、育つか、産めるか不安で……
一度、堕胎してるから。

基礎体温もちゃんと計り続けて、そして未来を身篭ったのよ。


『え!そんなこと、俺、全然気づかなかったよ。』

『あ…でも、俺、おかしいな?って思ったことあった!祥子が自分から俺を誘った。』

『もう!いいのよ、そんなこと思い出さなくても。意地悪な悠太さんね!』

祥子はやはり、顔を赤らめていた。



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