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翻弄の果てに
第14章 悪夢
祥子を寝かしつけ、両親とも別れ、リビングにひとりになった俺は、まんじりともせずに朝を迎えた。

精神安定剤で眠っていた祥子が、寝室から出てきたのは午前4時頃であったろうか。


『悠太さん…連絡は?』

『いや、まだない。祥子、大丈夫か?』

『えぇ…』

何かを話している祥子の声が遠くに聞こえ、ほんの5分位だったが、俺は眠ってしまっていた。


『パパ、ママ、さようなら。私、この人からもう離れられないの。だから、捜したり、連れ戻そうなんてしないでね。』

『未来!行くな!騙されてるんだ、行っちゃ駄目だぁ!』

『悠ちゃん、未来の人生よ。そして私の血を引いた孫なの…仕方がないのよ。』

『環ーっ!環ーっ!未来を返してくれ!環ーっ!』



『悠太さん!悠太さん!起きて!!』

俺は、夢を見ていたのか……
祥子の心配げな瞳が俺をみつめていた。




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