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翻弄の果てに
第17章 激怒 絶望 そして再び…《祥子編》
『未来?ちょっといい?』
『うん…』
警戒したような返事をして、未来は部屋のドアを開けた。
『少し聞かせて?』
『え…?力さんのこと?』
『違うわ。未来のことよ。』
『あたしの、こと?』
『ええ、そうよ(笑)』
未来の頭の中は今、きっと目まぐるしく廻っているだろう。
祥子が何を聞きたいのか、祥子は何を考えているのか、全く検討がつかないといった不安げな表情だった。
『ねぇ、弟か妹が欲しいって思ったこと、ある?』
『え?あ…あるよ。でも…』
『でも?』
『居なくてよかったかも……。だってね、ママ』
未来は、この兄弟というワードで、堰を切ったように話し始めた。
『あたし、パパとママの子で幸せよ。ただ、パパは超過保護なのよね。重いの……。未来はパパの所有物じゃないよ。でもパパはみんな決めちゃうんだもの。弟や妹が居てもきっと同じ。きっと未来だけは特別扱い。だから、居なくてよかったって思う。』
『違う今があったかも、っては思わないの?』
『思わない。少なくともパパには。』
『うん…』
警戒したような返事をして、未来は部屋のドアを開けた。
『少し聞かせて?』
『え…?力さんのこと?』
『違うわ。未来のことよ。』
『あたしの、こと?』
『ええ、そうよ(笑)』
未来の頭の中は今、きっと目まぐるしく廻っているだろう。
祥子が何を聞きたいのか、祥子は何を考えているのか、全く検討がつかないといった不安げな表情だった。
『ねぇ、弟か妹が欲しいって思ったこと、ある?』
『え?あ…あるよ。でも…』
『でも?』
『居なくてよかったかも……。だってね、ママ』
未来は、この兄弟というワードで、堰を切ったように話し始めた。
『あたし、パパとママの子で幸せよ。ただ、パパは超過保護なのよね。重いの……。未来はパパの所有物じゃないよ。でもパパはみんな決めちゃうんだもの。弟や妹が居てもきっと同じ。きっと未来だけは特別扱い。だから、居なくてよかったって思う。』
『違う今があったかも、っては思わないの?』
『思わない。少なくともパパには。』