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翻弄の果てに
第17章 激怒 絶望 そして再び…《祥子編》
玄関を出て、通りの角を曲がったところで……


『未来ちゃんのお母さん!』

声をかけてきたのは力だった。


『力…さん。』

『すいませんでしたっ!浅はかな行動でした!』

『あ、あなた、その痣…』

『親父に殴られました。当然です。親父…未来ちゃんのお父さんと話したいと言ってました。』

『そう…ね、あなた、時間ある?』

『はいっ!あります!今日中に戻ればいいので。』



あまり人の入らなそうな古びた喫茶店に入った。

『なんか…レトロ…昭和というか、こんなとこあったんですね。なんか落ち着くなあ……』

『もうずいぶん来てないわね、懐かしいわ。』

『あ、すいません!話、逸らしちゃいました。』

『未来…ね。』

『はい。』

『いつから?』

『一年半くらい前からです。黙っててすいません。』

『聞かせて?』


力は、意を決したように姿勢を正し、水をごくりと飲み込むと話し出した。




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