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翻弄の果てに
第19章 荒波
未来は迷っていた。

力のことを聞く父に、何をどこまで話せるのか…

子離れなどと言っても、そうそう簡単ではないことくらい、未来にも容易に理解できている。


年齢や会社名、所属、居住地など、履歴書的な事を伝えた。

穏やかな性格で、いつも笑ってくれる、側にいるだけでホッとできる人だと話した。


『そうか…ホッとできるんだ…大事なことだな。』

『そう思う?』

『ああ、思うさ。ホッとできる人…パパも、ママのおかげでホッとできる場所を見つけたんだ。』

『そっかぁ。』

『未来、ママは信念の強い女だ。未来が思うようなママじゃない。ママはパパの犠牲になんかなってないぞ。』

『なんでパパに分かるの?ママが無理してるって思わないの?』

『思わないさ。ママはここ一番の時には、ビシッと言うのさ。ママはそこらへんのハンパな男より遥かに男らしいんだ(笑)』



『ママ、くしゃみしてるかもね(笑)』



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