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第19章 荒波

思い起こしてみれば、娘との二人旅は初めてだった。

これが最初で最後かもしれない。悠太は未来と一泊するのも悪くないな、と考えていた。

『未来、温泉は好き？』

『うん！力さんと行ったとこの温泉、凄くよかった。』

『そ…そうか（笑）』

『あ…ごめんなさい！』

『いいさ。この時期だから取れるかどうか解らないが、温泉宿がとれたら、今夜はここに泊まるか？』

『いいね！ママ…』

『ママとの旅はこれからも出来るだろ？未来とパパは難しいからな（笑）』

『そか。じゃあ…探す？』

『おう！（笑）』



やはりなかなか見つからない。老舗といわれるかなり高価な宿が一件、キャンセルが出たとかで…

『高いな…』

『パパ？』

『あ？うん、見つけたぞ（笑）』


まあいい、未来との一泊でケチることはない。
悠太は精一杯背伸びをしてそこに決めた。