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翻弄の果てに
第3章 決意
それから俺は姉さんを連れて、仕事中に何度か足を運んだ不動産屋に行った。

『この土地から離れた物件、見つかりましたか?』

『ああ、いつもの。いらっしゃい、お急ぎでしたよね?結構離れた所ですが…』

『いいです!どこですか?』

『知り合いが漁村の近くで貸家業をしてまして、ここなんですが、行って見ますか?』

『今から行きます!』

『あ、え?!今からですか?じゃ、じゃあ、連絡しますから、ちょっと待ってください。』

俺達には到底縁の無い土地…返って都合がいいと思った。

『姉さん、もう迷ってる余裕は無い。とにかく俺に任せて。いいね?』

『悠ちゃん…』

『ねっ!』

『えぇ、分かったわ。』


『お待たせしました。自宅へ来て欲しいそうです。これが住所です、分かりますか?』

『ありがとうございます!』

俺は、不動産屋に金を握らせ、俺達のことは何があっても他言無用と念をおして店を出た。



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