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第20章 甦り

『君が…』

『未来よ、未来(みらい)と書いて未来。』

『未来ちゃんか。暁と同級生なんだよね？』

『うん、そうよ。暁は、あたしと力さんの、そうねぇ…キューピッドね！』

『ははは…キューピッドが暁ね、笑える。未来ちゃん、俺のこの有様を見てどう思った？』

『あたし？生きていてくれてありがとう！って思ったわ。不自由な身体で、記憶を失っても、…まあ…ショックで…でも、しっかりしようって思って。』

『いや、そうじゃなくて、無理！って…』

『思うわけないじゃない。力さんは、あたしを守るってママと約束したんでしょ？あたしとも絶対離れないって約束したじゃない。約束を守った力さんに、無理！なんて思うはずは無いわ。』

『そう…俺、そんなこと言ったんだ…』



『ねぇ、力さんは大丈夫？今の自分をちゃんと受け入れるにはまだまだ時間がかかってもおかしくないのに…』

『大丈夫なんかじゃないさ。発狂しそうに辛いし、悔しいさ。ね、無い脚が痛いんだよ、解らないよね。たぶん、まだ俺の身体は無くしたことを解ってないんだね。頭は解ってるのにね。』

『………』

『ここは、とにかく、この身体と無くした記憶に振り回されないように、理性と闘うしかない、って腹を括ったふりで乗り切るしかないのさ。』


未来の目から、大粒の涙がこぼれ落ちた。