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翻弄の果てに
第22章 翻弄の果てに
歩が幼稚園に上がった春。
『悠太さんにほんと、よく似てる(笑)』
『祥子は俺のガキの頃を知らないだろ!』
『お友達やお父さん、お母さんから聞かされて知ってるわ(笑)』
『やだ!やめてぇ。歩はうーんとイケメンよ!比べものにならないわ!』
未来が口を尖らせる。
『未来、顔は俺に似てるかもしれないが、歩のやんちゃさは俺にはなかったよ(笑)お父さんに似たんだよ、きっと。お母さんの言う通りなんじゃないか?(笑)』
『俺は…けなされてるのか?喜んで…いいのか?』
不可解な悠太の感情をよそに、みんな大笑いだ。
もちろん、その中心にはいつも歩がいる。
穏やかに、晴れやかに、笑い声の絶えない空間は、翻弄され続けた悠太一家の至福の時へと変わっていった……
『祥子。』
『はい?』
『旅に出よう。』
『え?』
『いいから。』
『そうね、行きましょう。』
程なくして、悠太夫婦は行き先を知らさないまま出かけていった。
季節は初夏を迎えていた-------
『悠太さんにほんと、よく似てる(笑)』
『祥子は俺のガキの頃を知らないだろ!』
『お友達やお父さん、お母さんから聞かされて知ってるわ(笑)』
『やだ!やめてぇ。歩はうーんとイケメンよ!比べものにならないわ!』
未来が口を尖らせる。
『未来、顔は俺に似てるかもしれないが、歩のやんちゃさは俺にはなかったよ(笑)お父さんに似たんだよ、きっと。お母さんの言う通りなんじゃないか?(笑)』
『俺は…けなされてるのか?喜んで…いいのか?』
不可解な悠太の感情をよそに、みんな大笑いだ。
もちろん、その中心にはいつも歩がいる。
穏やかに、晴れやかに、笑い声の絶えない空間は、翻弄され続けた悠太一家の至福の時へと変わっていった……
『祥子。』
『はい?』
『旅に出よう。』
『え?』
『いいから。』
『そうね、行きましょう。』
程なくして、悠太夫婦は行き先を知らさないまま出かけていった。
季節は初夏を迎えていた-------