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甘やかな縄
第1章 知ってしまった
 美由紀の中のなにかが、音を立てて崩れた。


(嘘でしょ。あの人どうなってるの!もう、いや!明日はどうするの?)


 心の叫びが口をついて出ようとしていた。
 その時、香織が不思議そうに美由紀を見つめていた。
 危うく踏み止まり、


「香織、お風呂にいきましょうか。」


 香織がコクリと頷き母娘でお風呂に入り、早めの夕食を食べた。
 香織がテレビを見ている間に、美由紀は実家の母親に電話して明日の香織のことを頼んだ。
 美由紀の母親は理由を聞かずに、


「任しといて。」


 とだけ答え、香織を二日預かることを承知した。


「香織ちゃん、明日はおばあちゃんのお家にお泊りよ。ママは、明日、お友達とお酒を飲みに行くの。いいかなぁ?」


「うん、いいよ。パパもいないし、ママ、ゆっくりしてきてね。」


 娘のこの言葉に、美由紀は思わず香織を抱きしめていた。


「ありがとう、香織、ありがとう。ママ、ゆっくりしてくるわ。香織のおかげよ。」


 娘に感謝しながら、美由紀は少し、後ろめたさを感じていた。
 しかし、娘を寝かしつけ、美由紀は携帯を持ち、ドキドキとしながら自分の部屋に入った。 受信ランプが夕食の前から点滅していたのに、気づいていたが娘の前で開くのは、はばかられたからだった。


「こんばんは、夢。
明日の準備はできたかな?
私は、少しずつ準備しているよ。

明日を楽しみにしている。
それと、今夜は無理かな?」


(今夜、あの人もいないし。でも、いいかな。もう一回、あの経験、、でも、明日、会うんだしぃ。)


 少し迷いながら、鏡の前にいる自分におどろいていた。


「えぇ、私も準備をしています。
でも、ロクさんはなにを準備しているんですか?
それと、今夜ですか?

夫は、今夜は、いません。
でも、明日、会えるし、、でも、ちょっと欲しいかなぁ。」


(やだ、なに書いてんの。これじゃ、欲しがってるみたいじゃ。)


 しかし、そのまま返信していた。
 六郎は嬉しくて小躍りしていた。


「ふふっ、旦那いないんだ。
じゃあ、少しだけやるかね。
少しじゃ終わらないと思うけどね。
鏡の前に行って、着てる物を全部脱ぎなよ。」


 美由紀はメールを見て少し迷っていたが、ためらいがちに脱ぎはじめた。


「ロクさんできました。

恥ずかしいです。

もう、、、」
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