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甘やかな縄
第1章 知ってしまった
 美由紀は携帯を通して聞こえる六郎の命令を、頭では否定しながら、肉体は濡れあふれ、熱い喘ぎを抑えようとすればするほど、声があふれ指が淫らに、自らを責めた。


「ふふふ、淫らしい女だ、夢。もっと鳴けよ、牝犬。」


「あぁ、んん、、そ、そんなぁ、、ぃぃぃ、、」


 携帯からの六郎の声に、美由紀は乱れ、あふれ悶えた。


「いっ、ぁあ、、な、なん、、あぁ、、くっ、う、ぅ、、」


 美由紀は抑えきれずに、絶頂の声を上げた。


「いっ、、やっ、ぁあ、、くっ、ぅう、、ひっ、いぃ、、」


「夢、逝ったんだ。淫らしい牝犬や。何度でも、逝きなよ。」

 六郎の声を遠くに聞きながら、とめどなくあふれる自分自身を、美由紀は抑えられなくなっていた。


「あらら、逝きっぱなしやな。俺に聞かれながら、淫らしいことするんが好きなんだろ、夢。違うかな?」


「はぅ、、そ、その、通り、ですぅ、、恥ず、かしい、、の、、やめられ、、ない、、いぃ、、、あぁ、、、また、、くぅ、、、」


 美由紀は手を何度も止めようと思ったが、快感の波に飲み込まれた。


「夢、鏡を見なよ。恥ずかしい自分自身を見なよ。本当の夢をな。」


 思わず、鏡を見つめた美由紀は自分自身のあられもなく乱れる姿に、


(だめっ、いけない、淫らしい!でも、ぃい、、やめられなぃ。)


「あぁ、、はぁ、はぁ、あの、もうだめです。んっ、、手が、、いっ、またっ、、やっ、ロクさん、私、変です。」


 美由紀は、息をはずませながら、辛うじて残っていた理性を総動員した。


「ふふふ、夢、疲れたんだね。構わないよ。明日も、あるからね。落ち着いたら、ゆっくり話しなよ。」


「はい、ありがとうございます。恥ずかしいです、ロクさんにあんな声を聞かれるなんて。」


 六郎は、美由紀の息遣いや喘ぎ声を聞きながら、美由紀がかなり敏感な女だと思った。


「夢、明日は何時頃になるかな?俺は早くても構わないよ。」


「はい、私もお昼くらいには大丈夫だと思います。あの、よろしいんですか?ご家族とか?」


「うん、心配ないよ。家族はいない。つまり、独身だからね。」


「そうなんですか。ロクさんの年齢ならいらっしゃるかなって、すみません。」


 美由紀は勝手に思いこんでいた自分に、恥ずかしさを覚えた。
 独身と知って気分が軽く感じられた。
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