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甘やかな縄
第2章 蛹化(ようか)
 快感は乳房の先端、剥き出しの乳首から、身体全体へ快感の波を起こし、美由紀の女の部分へ集まっていった。


「んん、うそ、、こ、こんな、ぃぃ、、なん、で、ぁ、、ぁぁ、、」


(やっ、こ、声が、でちゃぅ、だめ、変態、よ、、)


 美由紀の意志とは反対に、唇から言葉と同時に、快感の喘ぎがあふれ、人妻は唇を噛んだ。


「なんでこんなんで、感じるかって?それは、夢が感じやすいスケベな身体をしているからさ。もっと良くしてあげるわ。」


(あらら、嫌がってるくせに、欲しがってるんや。楽しみな娘や。)


「やっ、いっ、や、、」


 美由紀は絞り出すように、拒絶の言葉を漏らした。
 六郎は、拒絶の言葉を聞きながらも、快感の波から逃れようと、虚しく足掻く人妻を見ながら、サドの本能に炎が燃え上がるのを感じていた。


「面白い女やな、夢。もう一つ歯ブラシをあげるわ。場所はどこか、わかるよな。お前の今、一番欲しがってるとこや。」


「い、いっゃあ、、ゆ、許、し、、てぇ、、」


 懇願するように、美由紀は声を絞りだした。


(いやよ、いや、これ、以上は、でも、ノーって、いえば、、でも、、欲しい、、うそ、、違う、、)


 ヴィン、と美由紀の耳に唸るようなモーター音が響いた。
 思わず、逃れようと足を閉じるようにしたが、拘束された足は動かず、内腿がかろうじて虚しく動いた。


「やっ、ゆ、許し、、てぇ、、」


「だめだよ、素直にならなきゃ。こんなに濡らしてるのに、パンティの染みが大きくなってるよ。ホンマにスケベな牝犬やな。」


 六郎は美由紀の耳元で嬲る(なぶる)ように囁いた。


(さあ、仕上げの第一段階だな。どうなるか、ドキドキや。)

「は、歯ブラシ、そ、そんな、、、」


 それ以上は、言葉が続かなかった。
 新たな快感の波が、美由紀の言葉を奪い、熱いものがあふれ、唇を噛み、最後の抵抗の意志を示した。


「鏡を見なよ、夢。これが、お前の本当の姿や。マゾの人妻のな。」


 美由紀は天井の鏡に映る自らの浅ましい姿の虜に(とりこに)なった。


「あぁ、やっ、ぃぃ、い、、」


 天井の鏡には、高手後手に縄が這う、両の乳房の中心を二本の歯ブラシに嬲られ、剥き出しのパンティには縄が食い込み、縄の結び目と結び目の間から、もう一本染みの中心に食い込み、人妻を責めていた。
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