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甘やかな縄
第2章 蛹化(ようか)
 しばらくすると、美由紀がじっとこちらを見ていた。


「動けるようになったんだね、夢。もう少ししたらお風呂に入ろうか?」


「えっ?あっ、はい。汗を流してサッパリしたいわ。」


「うふふ、俺も同じだよ。お湯を入れて来るから少し待っててくれるかな?」


「えぇ、待ってます。」


 初めてあった男の言葉に素直にうなずいている自分自身を不思議な気持ちで、美由紀は見ていた。


(変かな?でも、あんな恥ずかしいところを見られたし、でも、、)


 浴室へ入り浴槽へお湯を入れながら、


「どうやろかな、彼女?まあ、最初だしな。明日の朝まで時間はあるからな。無理はさせないほうがいいかな。次があれば可能性はあるんだけど、まっ、だんだんかな。」


 自分の気持ちをつぶやくように口に出していた。
 浴室から戻ると、美由紀が疲れたのか軽く寝息を立てていた。


(あら、よっぽど緊張してたんかな?気持ち良さそうに寝てるなぁ。)


 しばらく様子をみていたが、


(おきそうにないなぁ。起こすかな?まぁ、お湯を見てからやな。)


 ユックリと浴室へ向かった。
 お湯を止め部屋に戻ると、


「ごめんなさい。私、眠ってたみたい。はずかしい。」


「あぁ、起きたんだね。気持ち良さそうに眠ってたから、疲れたんだね。」


 そう言いながら六郎は、美由紀の側に腰掛けた。


「ごめんなさい、あんなに気持ち良かったの初めてだったから。」


(ばかばか、なに言ってんの、あんな恥ずかしいとこを、見られたのに、でも、この人ならいいかな?)


「うふふ、そうだろうね。良く感じていたから。」


(う〜ん、可愛いなぁ。けど、こんな美人がなんでやろ。いけんいけん、とりあえず目の前だけや。あとはあとのこと。)


「あの、嫌にはならなかったん?ノーって言わなかったし。これから、もう少しキツクなるけど大丈夫かな?」


(断られるかなぁ?まあ、駄目元だしな。)


「えっ、いえ嫌いじゃありません。それにノーって言えば、やめて下さるんでしょ。」


 うん、といいながら六郎は美由紀の肩に手をかけた。


(えっ、なにっ?)


 美由紀の身体に身体を合わせるように六郎は座り、ユックリと見つめ合うように視線が絡み合った。


(いやだめ、でも、美由紀、だめ、)


 美由紀の中に羞恥が広がった。
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