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short story
第10章 遥斗の長い長い一日 /haruto
「痛くない痛くない!」


ギャーと泣くいちかの細い腕に針が刺されるのが可哀想で仕方ない。
看護師はキャラクターの絆創膏を腕に貼り、15分待っていろと俺たちを追い出した。


さっきまで元気だったいちかは撃沈。
ただでさえ体温が高いのに、泣いているから更に熱い。


そんな湯たんぽを抱え15分・・・


「お疲れー」


史織が母子手帳を持ってやって来る。


「腫れてない?」


「平気・・・」


「なんか疲れてない!?」


「疲れてる、いろんな意味で・・・」


夕方近くになると慣れない育児疲れがドッと来る。


「あはは、ドンマイ!あとサッカーの事考えといてね」


「あー、大輔に話してもいい?」


「オッケーオッケー」


ひとまずそれは宿題に。
史織と別れ病院を出ると携帯に着信が・・・取り出して画面を見ると姉貴からだった。



「もしもし」


「遥斗でしょ!?ウチ引っ散らかしてったのは!!」


出た途端、キーンと耳を突き刺す怒鳴り声で怒られた。


「何か作ったら洗っときなさいよね!つーか今から洗いに来なさいよ!!今すぐ来い!!!!」


「・・・・・・・・・」


我が姉ながら相変わらず凄い女だ・・・
逆らう気力さえない俺はいちかと実家へ。


さっきの怒鳴り声は何処へやら、姉貴はいちかを見た途端気持ち悪いくらい甘くなった。


「いちか~~~」


そしていちかを抱き、赤ちゃん言葉でいちかに話し掛け・・・


「早く片しなさいよ!食べた食器水に浸けないからカピカピじゃない!!」


俺には厳しい。


「つーかこのオモチャは何?」


「いちかに買ってやった」


「ふーん・・・」


姉貴は興味津々でペペちゃんを見ている。


「すげー昼間は世話してたんだぜ?動画見る?」


姉貴にスマホを見せると食い入るように見始めた。
そして・・・


「転送・・・転送して!」


「嫌だ。自分で撮れば?」


皿洗いの恨みだ!
そのままキッチンで皿を洗っているとドヤ顔の姉貴が俺の所にやって来た。
そして自慢げにスマホを見せる。


姉貴のスマホにはペペちゃんに布団を掛けて寝かしつけるいちかが居た。
しかも子守唄まで歌ってる。


「!!!!」


姉貴の笑顔が勝ち誇っていた。


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