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short story
第11章 遥斗先輩とみなみちゃん 前編/ haruto
それから、みなみちゃんが気になるようになった。
彼女の姿は遠くからでも分かったし、賑やかな中でもみなみちゃんの声はすぐ気づいた。


それくらいみなみちゃんを気にしながら俺が行動に移すことは無かった。
今更自分のスタンスは崩せなかったし、彼女みたいな子はいざ手を出せば面倒くさいだけのような気がして・・・


でも心の何処かでは偶然を期待していた。
みなみちゃんと近づく切っ掛けを・・・






「あんっ・・・遥斗・・・」


「シッ、・・・我慢して」




制服の中で胸を揉みながらキスすると、感じた彼女が声を抑えようと俺の首にキツく抱きつく。
キスを深める度に安いパイプがギシギシ鳴って、背徳感を煽られた。



「もし誰か来たらどうする?」


「ダメだよぉ・・・」


そう言いながら彼女はガッツリ脚を開いて俺を受け入れたがっている。
シャツの中から手を抜いて太ももに這わせると、催促するように絡めた舌を強く吸われた。



「んっ・・・んふっ・・・」


真っ白な空間に鼻を抜ける声が響く。
下着はもうびしょ濡れで、ショーツの脇から指を滑り込ませようとしたその時・・・



「先生・・・あれ・・・居ない・・・」


ガラガラと扉を開いて「入って来た人」に手が止まる。


「薬貰う?」


「ん・・・」


棚を開け、薬を出している音がした。


「大丈夫?ホントみなみ二日目重いよね」


「薬飲んで少し休めば平気・・・」



・・・みなみちゃん。
行為が止まった俺を催促するように彼女がまたキスをしようとした。・・・が、その唇を掌で止めた。
無意識だった。


水道を捻る音がして、少しすると隣のカーテンが開いた。


「ありがとね、きーちゃん」


「ううん、お大事に」



二人の声が近くなって、そしてみなみちゃんの友だちはカーテンを閉めて保健室を出て行った。




「遥斗ぉ」


「待って・・・」


「んっ・・・待てない」


「待てって」


強引な彼女を引き離し、隣を俔うと僅かに苦しそうな息遣い。
そんな俺を彼女は実力行使と言わんばかりにまた引き寄せようとする。








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