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short story
第11章 遥斗先輩とみなみちゃん 前編/ haruto
「あ、あった!あれだ」
本屋で参考書を探していると、それは一番上の棚にあった。
手を伸ばしてもみなみちゃんには届かない。しばらく一生懸命取ろうとする後ろ姿を堪能し、参考書に手を伸ばす。
「ホラ」
「ありがとうございます」
上目で俺を見上げながら何故かぎこちなくなるみなみちゃん。
「・・・取れないなら言えばいいのに」
「だっていかにもな気がして・・・」
「俺居なかったらどうすんの?」
「店員さんにお願いする」
通路を挟んだ棚には男の店員が本の整理をしていた。
あの男に取ってもらうつもりだったのかと思っただけで面白くない。
「俺がいる時は甘えれば?何でも」
「・・・先輩はどうしてそんなに気にかけてくれるんですか?」
どうしてってそんなの好きだからに決まってる。
この俺がここまで一人の子に執着してるっていうのに気づかないのかこの子は!
「・・・知らね」
呆れ半分隠し半分で素っ気なくなった俺にみなみちゃんが呟いた。
「ありがとうございます・・・取ってくれて」
ほっぺたを赤くして照れたように・・・
俺は何とも言えない気持ちになって誤魔化すように前髪を掻き上げる。
・・・ヤバイ、マジで。
それからレジを通して電車に乗って、帰り道をゆっくり歩く。
「来週は補習あるの?」
「あります」
「何曜?」
「火曜日・・・」
「じゃあその日今日の続きするか」
「いいんですか?」
「補習終わったら待っててよ」
「ん・・・」
やり取りだけは彼氏彼女みたいで少しだけ満足だった。
本当なら手でも繋ぎたいところだけど・・・
チラッとみなみちゃんを見てそっと手を伸ばしかけ・・・躊躇って下ろす。
そのまま握ればいいのに握れなかった。
まるで中学生以下だ・・・普段の俺どこ行った!?
「先輩?」
悶々としていると不思議そうにみなみちゃんが覗いていた。
「何か今日変ですよ」
「いつも変だよ・・・」
みなみちゃんに出会ってから。
思うように行かなくて、もどかしいのに大事にしたい。
こんな気持ちが「好き」っていうんだな・・・
本屋で参考書を探していると、それは一番上の棚にあった。
手を伸ばしてもみなみちゃんには届かない。しばらく一生懸命取ろうとする後ろ姿を堪能し、参考書に手を伸ばす。
「ホラ」
「ありがとうございます」
上目で俺を見上げながら何故かぎこちなくなるみなみちゃん。
「・・・取れないなら言えばいいのに」
「だっていかにもな気がして・・・」
「俺居なかったらどうすんの?」
「店員さんにお願いする」
通路を挟んだ棚には男の店員が本の整理をしていた。
あの男に取ってもらうつもりだったのかと思っただけで面白くない。
「俺がいる時は甘えれば?何でも」
「・・・先輩はどうしてそんなに気にかけてくれるんですか?」
どうしてってそんなの好きだからに決まってる。
この俺がここまで一人の子に執着してるっていうのに気づかないのかこの子は!
「・・・知らね」
呆れ半分隠し半分で素っ気なくなった俺にみなみちゃんが呟いた。
「ありがとうございます・・・取ってくれて」
ほっぺたを赤くして照れたように・・・
俺は何とも言えない気持ちになって誤魔化すように前髪を掻き上げる。
・・・ヤバイ、マジで。
それからレジを通して電車に乗って、帰り道をゆっくり歩く。
「来週は補習あるの?」
「あります」
「何曜?」
「火曜日・・・」
「じゃあその日今日の続きするか」
「いいんですか?」
「補習終わったら待っててよ」
「ん・・・」
やり取りだけは彼氏彼女みたいで少しだけ満足だった。
本当なら手でも繋ぎたいところだけど・・・
チラッとみなみちゃんを見てそっと手を伸ばしかけ・・・躊躇って下ろす。
そのまま握ればいいのに握れなかった。
まるで中学生以下だ・・・普段の俺どこ行った!?
「先輩?」
悶々としていると不思議そうにみなみちゃんが覗いていた。
「何か今日変ですよ」
「いつも変だよ・・・」
みなみちゃんに出会ってから。
思うように行かなくて、もどかしいのに大事にしたい。
こんな気持ちが「好き」っていうんだな・・・