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short story
第11章 遥斗先輩とみなみちゃん 前編/ haruto
図書館で勉強して、またみなみちゃんに泣かされて・・・
帰りながら土曜日の時間や場所も決めてその日は別れた。


そして待ちに待った土曜日。


約束の場所に行くと浴衣の女の子が沢山居た。
来る途中、「着きました」とLINEが来たからその中からみなみちゃんを探す。


みなみちゃんはすぐ分かった。


後ろから声を掛けるとみなみちゃんが振り向いて、その姿を見て言葉が出なくなる。


白地に赤い桜柄、ワイン色の帯、ゆるく纏められた髪には浴衣の赤と同じ色の花飾りが控えめな位置に咲いている。


いつものみなみちゃんより大人っぽくて、可愛いのに綺麗で・・・


「・・・行こうか」


そう言って一足先に歩き出す。


本当は褒めたかった。
「綺麗だ」って言いたかった。


でも何故か言えなかった。


そんな俺の後ろをみなみちゃんは何も言わずに着いて来る。
下駄の足音を意識しながら河川敷に向かった。



まだ開始時間まで時間があるというのに河川敷には既に人が多勢で、話せなくなってしまった俺にはこの間が持たせられない。


その時、みなみちゃんが俺を呼んだ。


「先輩!じゃんけんぽん!」


釣られて咄嗟に出したグーに対して手を開いたみなみちゃんがニッと笑った。


「パ、イ、ナ、ッ、プ、ル」


カランコロンと階段を上りそしてまた俺を見る。


「負けた方がたこ焼き驕りで!」


「・・・ジャンケンポン!」


不意打ちのジャンケンに今度はみなみちゃんが釣られグーを出した。


「パ、イ、ナ、ッ、プ、ル・・・これで振り出し」


「ふふっ、じゃんけん・・・ポン!」


たった10数段の階段はあっという間だったけど、ぎこちない雰囲気も見事に消し去ってくれた。
結局負けたのは俺で、みなみちゃんとたこ焼きを買いに行った。


「みなみたこ焼き焼くの上手いんですよ」


「へえ・・・焼いたことあんの?」


「家でたまに焼くんです。その時ひっくり返すのはみなみの役目で・・・」


「楽しそうだな家でタコパ」


「先輩も今度食べに来ますか?」


「えっ!?」


それは親公認ということだろうか。
ちょっとドキドキする・・・


たこ焼きを食べ終わって階段に座り二人で話をしていると・・・


「あっ、ハルくん!?」


この呼び方・・・
面倒な奴に見つかってしまった。




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