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short story
第11章 遥斗先輩とみなみちゃん 前編/ haruto
それから俺は史織と女子二人に囲まれ、遠藤はみなみちゃんと後ろから着いて来る。


「最近遥斗くん遊んでくれないって話よく聞くよ」


「あー・・・一応受験生だし」


「遥斗くん特進クラスだもんね。今度勉強教えてよ」


「俺人に教えるの苦手なんだよな・・・」


「えーっ・・・じゃあ今度遊ぼうよぉ~」


女子たちはだんだん俺に寄ってきて密着状態で正直暑い。
もう少し離れてくんねーかなと思いながらも耳は後ろの会話を拾うのに真剣だ。


「みなみちゃんがハルくんと仲いいなんて知らなかったよ」


「はい・・・」


「今度俺とも遊ぼうよ」


「・・・・・・・・・」


「プール行こうよプール!」


みなみちゃんは明らかに困っていて、でも遠藤に気がないことを確信したらホッとした。


「・・・そんなに気になる?後ろ」


史織がポツリと呟いた。


「だって俺が連れて来たのに・・・責任あるだろ?」


「ふーん、一ノ瀬みなみと何で仲いいの?」


「・・・・・・・・・」


「つかね、みーちゃんはずっと遥斗ファンだったんだよ」


「やだ史織!ここで言う!?」


一番端の女子が史織を叩く。


「いいじゃん、最近遥斗大人しいんだから今がチャンスだって」


史織がその子と位置を変わり、その子を俺に押し付けた。


「いや・・・遠藤ファンなんじゃねーの?」


「遠藤はただの友達・・・みーね、一年の時からずっと遥斗くんの試合見に行ってたんだよ」


「はは・・・サンキュ」



・・・そんなやり取りをしている間に後ろから聞こえてた会話が聞こえないことに気づいた。
後ろを振り返ると遠藤とみなみちゃんが居ない。



「遠藤は?」


「居ない?抜けた?」


「マジかよ・・・」


「大丈夫大丈夫、遠藤女の子の扱い上手だから」


・・・それが何より心配なんだよ!
遠藤に気持ちがないと言えみなみちゃんはタジタジだった。
遠藤のペースに飲まれるのなんて時間の問題だ。


ソワソワしだす俺を史織が牽制する。


「遥斗はただの保護者なんでしょ?放っときなよ、もしかしたら上手くいくかもしれないし」


「・・・・・・・・・」


「みーちゃんはね、遥斗とずっと仲良くなりたいって言ってたんだから!」

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