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short story
第11章 遥斗先輩とみなみちゃん 前編/ haruto
隣りの子が熱く俺を見ていた。
ちょっと前の俺なら絶対この子を選んだと思う。
・・・可愛いし手軽だから。
でも・・・
「ごめん・・・」
場の空気を悪くするのも好きじゃない。
そんな今までの俺を全部塗り替えてしまうくらいみなみちゃんは大事な存在になっていた。
女子たちは案の定微妙な空気になり、史織がその場を繕ってくれ・・・
恩に着ると小さく手を合わせて踵を翻す。
・・・みなみちゃん。
暗くなった河川敷を二人を探して走った。
さっきより人も随分多くなって、見つけるのは困難かもしれない。
携帯に電話しても繋がらない。
この人混みで着信音も聞こえないのだろうか。
それとも・・・
嫌な展開を考えてまた焦る。
みなみちゃん・・・
探し回るうちに花火大会が始まった。
河川敷から上がる花火の音が凄くて、体の芯に響いて震える。
花火を見る余裕もなく、ただみなみちゃんを探した。
夜の暗闇と酔うほどの人に眩暈がする。
探して探して・・・探し回って・・・
その時、花火の合間に聞こえた声は本当に奇跡だったと思う。
「嫌ーっ!!」
「ちょ!待って・・・」
「私山下先輩のとこに帰ります!」
「こんな人混みじゃ見つからないから」
「見つけます!」
それは遠藤を振り切り振り切り歩くみなみちゃん。
「ハルくんだってあの子たちと楽しくやってるから」
「それでも・・・私が山下先輩がいいんです!」
遠藤がみなみちゃんの腕を掴んだ。
「何で!?」
・・・その時花火がまた上がり、ドーン!と轟音が響き渡る。
二人の声が聞こえなくなった。
でも何かを話してはいるようで・・・遠藤は掴んでた腕を力なく離した。
するとみなみちゃんは小走りで走り出す。
その後を追って慌てて俺も走った。
ちょっと前の俺なら絶対この子を選んだと思う。
・・・可愛いし手軽だから。
でも・・・
「ごめん・・・」
場の空気を悪くするのも好きじゃない。
そんな今までの俺を全部塗り替えてしまうくらいみなみちゃんは大事な存在になっていた。
女子たちは案の定微妙な空気になり、史織がその場を繕ってくれ・・・
恩に着ると小さく手を合わせて踵を翻す。
・・・みなみちゃん。
暗くなった河川敷を二人を探して走った。
さっきより人も随分多くなって、見つけるのは困難かもしれない。
携帯に電話しても繋がらない。
この人混みで着信音も聞こえないのだろうか。
それとも・・・
嫌な展開を考えてまた焦る。
みなみちゃん・・・
探し回るうちに花火大会が始まった。
河川敷から上がる花火の音が凄くて、体の芯に響いて震える。
花火を見る余裕もなく、ただみなみちゃんを探した。
夜の暗闇と酔うほどの人に眩暈がする。
探して探して・・・探し回って・・・
その時、花火の合間に聞こえた声は本当に奇跡だったと思う。
「嫌ーっ!!」
「ちょ!待って・・・」
「私山下先輩のとこに帰ります!」
「こんな人混みじゃ見つからないから」
「見つけます!」
それは遠藤を振り切り振り切り歩くみなみちゃん。
「ハルくんだってあの子たちと楽しくやってるから」
「それでも・・・私が山下先輩がいいんです!」
遠藤がみなみちゃんの腕を掴んだ。
「何で!?」
・・・その時花火がまた上がり、ドーン!と轟音が響き渡る。
二人の声が聞こえなくなった。
でも何かを話してはいるようで・・・遠藤は掴んでた腕を力なく離した。
するとみなみちゃんは小走りで走り出す。
その後を追って慌てて俺も走った。