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short story
第2章 seventeen/minami
時は変わり一週間後、最近の私は放課後一人行動が多い。
・・・というのも仲のいい友だちはみんな彼氏ができてしまい付き合いが悪くなってしまったから。


だから大好きな雑貨屋さんを巡って家に帰るのが最近の日課になっている。
夏に近づき日も伸びたから、少し遠くのお店まで足を伸ばしたりそれはそれで充実していた。


でもそんな日課をお兄ちゃんに知られたら良しとしてくれるはずはなく・・・
だからお兄ちゃんの帰宅前には帰っていなくてはいけない。


お兄ちゃんの帰りは思いの外早い。
6時半には大概帰ってくる。


今日は雑誌で見たお店にどうしても行ってみたくて電車で30分揺られその店を探しに来た。
でも路地裏にある小さなお店はなかなか探し出せなくて、やっと見つけて入ったらあまりの可愛さに時間を忘れてしまって・・・


間に合うだろうか。
混み混みの電車に揉まれヒヤヒヤしながら時計を気にしていた。
電車が駅に到着すると更に人が乗り込んで半分潰される。
そして動き出した時、思わずよろけ・・・


「あっ!ごめんなさい」


寿司詰め状態で前の人の背中に潰された。



「いえ」


「!」


この声は・・・
恐る恐る見上げるとそれは笠原先輩だった。


なんという・・・
何故か今、私は笠原先輩を抱きしめるに近い形で密着している。


・・・物凄く心臓がドキドキしていた。
先輩に伝わるんじゃないかって心配しながら笠原先輩の匂いに頭がクラクラする。


「・・・すごいね、普段俺歩きだから満員電車ってあんまり慣れなくて・・・」


吊革に捕まる先輩を軸にどうにか持ち堪える私に先輩が呟いた。
これは・・・私に話し掛けてくれてるんでしょうか!?


更に心臓ばバクバクして大袈裟なくらい頷いた。


「わ、私も歩きだから・・・」


「知ってるよ」


「!!」






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