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第12章 遥斗先輩とみなみちゃん 中編 ／ haruto

｢そう言えば何で大輔みなみのこと知ってんの？｣


｢遥斗は後輩になんか興味なかったから知らないだろうけどあの子は入学してきた時から有名｣


｢マジで！？俺にも教えろよ｣


｢部活でも話題に出てたぜ。ついでに言えば俺、あの子と同中だったけど昔から騒がれてた。本人に自覚はないみたいだけどな｣


｢知らなかった･･･｣


｢お前人の話あんま聞いてないしそもそも年下興味ないとか言ってたし、軽そうな女のケツばっか追っかけてたもんな。それが蓋を開けたらみなみちゃん？刺されるぞ絶対｣


｢･･･バーカ｣


｢まぁ刺されるは冗談としてもお前が本当にあの子を大事にするってならもういい加減なことするなよ｣


｢しない･･･もうそういうのに興味ないし｣


みなみちゃん一人が居ればもういいと･･･そう言ったら意外そうな顔で大輔に見られた。


｢愛の力か･･･キモいな｣


｢うるせー｣


｢あれだ、昔のヤンキーが10代で“もう落ち着かねーと”とか言って結婚するみたいな心境だ！｣


｢･･･知らねーし｣


｢生き急ぐなー･･･あーあ、しかしこの訃報に泣く奴がいるぞ｣


最後にポツリと大輔は呟いた。


｢別れる時は言ってくれ、全力でみなみちゃん慰めに行くから｣


｢･････････｣


どこまでが本気なんだか･･･大輔は本当に分からない男だ。


それにしてもみなみちゃん、やっぱモテるんだな･･･
遠藤が狙ってたのもまだ新しい話だし、本人がその辺に疎いのが救いなのだろう。


俺だってモテるけど本当に好きな子に出逢った今、コンプレックスもある。
心根が真っ直ぐな男･･･
純粋で遊びなんかで女の子と付き合ったりしないような爽やかな男がみなみちゃんに近づいたらと思うと正直怖い。


そいつがカッコ良かったりしたらそれは尚更で、どう考えたってみなみちゃんがああいう子だからある日突然目が覚めて、簡単に気持ちを持っていかれてしまうんじゃないかって･･･
想像しただけで恐ろしくて仕方なかった。