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short story
第12章 遥斗先輩とみなみちゃん 中編 / haruto
・・・結局合コンは流れ、俺とみなみとその二人で日曜にダブルデートをすることになった。


映画を観ようという話で、その後俺は一応受験生のため早く帰る。
門限が早いみなみもついでに帰る・・・その後一年坊主が頑張るというなんともずさんな計画で、正直そんなんじゃダメなんじゃねーの?・・・なんて思ったり。


「先輩!」


先に待ち合わせた俺とみなみ、今日のみなみも可愛くて最高に満足だ。


「ごめん待った?」


「ううん、今来たとこ」


いつものように手を繋ぎ駅に向かう。
こんな風に歩いていると二人きりのデートなら良かったのになんて目的を無視したくなってきた。


「みなみの友達はさ、アイツの事どう思ってんの?」


「んー・・・悪くは思ってないと思う」


「少しは意識したりしてんの?」


「気にはなるみたいよ?駿くん適当だから」


「それ・・・」


男として見られてねーじゃん!
母親とか姉ちゃんの心理だろ!?
この時点で俺はダメだろうと踏んでいた。


駅には既に二人が来ていた。
俺を見て後輩二人はペコッと小さく頭を下げる。


「先輩、私の親友のきーちゃんと幼なじみの駿くんです」


みなみの友達は見るからにしっかりしてそうな子だった。


「先輩この時期に映画とか平気なんですか?」


「少しだけならね」


「みなみも大事な時期なんだから考えてあげないと・・・」


「う、うん・・・」


「大丈夫大丈夫、俺も気分転換したかったし」


・・・本当にしっかりしてる子だ。
それからもみなみの友達は俺とみなみをさり気なく二人に、それゆえ必然的にアイツと居るわけなのだが・・・


「駿くんポップコーンそんな食べれる?」


「余裕」


「暗いからこぼさないよう気をつけてよ」


バケツサイズのポップコーンを抱える一年坊主の隣に座った彼女は本当に母親のようだった。


「きーも食う?」


「いらない・・・先輩、みなみにも同じこと言ってください」


「・・・暗いからこぼすなよ」


「平気~」


モシャモシャポップコーンをほおばるみなみはハムスターみたいで可愛いなんてもんじゃない。
手を伸ばしてみなみからポップコーンをつまむ。


「ほら」


口元に持っていくとみなみはパクッと食べ、その仕草に悶えた。




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