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short story
第12章 遥斗先輩とみなみちゃん 中編 / haruto
「駿くん・・・」
「だから・・・つつつき合って欲しいんだけど!!」
その言葉を聞いて頭を抱える。
映画はガーガー寝てるし起きて突然過ぎるしムードもへったくれもありゃしないし、しかもこの子は寝耳に水状態だし。
この状況に女心を刺激するものが何一つない。
俺が女なら間違いなくごめんなさいだ。
終わったな、一年坊主・・・ご愁傷様。
「・・・私今まで駿くんのことそういう目で見たことなくて・・・だから・・・もう少し時間もらえないかな」
こんな出来事の後なのにみなみの友達はとても冷静だ。
そしてその返事にほらみろと思った。
「う・・・うん、待つ・・・」
一年坊主はコクコク頷いて、その姿を見ながら人知れずため息をつく。
それから映画館を出た俺とみなみは予定通りそこで別れた。
「・・・びっくりしたね」
二人と別れてまずみなみが言った。
「だな」
「どうなるかな」
「・・・難しいだろ」
あの子の一年坊主に対する雰囲気は友だち以上のものではない。
それに告白だってあの有様だ、十中八九ないだろう。
残念だけどこれを肥やしに一年坊主も学んでいけばいい。
「・・・でもなんか思い出しちゃった」
「何を?」
「花火大会の日に・・・先輩が言ってくれたこと」
「・・・俺あんな感じ?もう少し余裕なかった?」
「先輩余裕だったの?」
みなみがいたずらに覗き込むがその表情はどこか伺っている。
「余裕は確かになかったかもな」
「どうしてー?」
「どうしてって・・・」
そんなのみなみが好きだからに決まってる。
みなみも分かっていながらあえて言わせたいようで、その余裕が悔しかった。
「どうしてだと思う?」
「んー・・・ふふっ」
「確信犯か!」
「何のこと?」
そこでみなみが腕に絡みつく。
弾むように歩く度、柔らかいものがポヨポヨ腕に当たって身体が疼く。
「・・・知りたきゃウチに寄ってけば?」
「勉強は?」
「みなみが不足すると集中力が欠けるし・・・それも困るだろ?」
あらかじめNOの選択肢を削除してやると女は安心するものだ。
現にみなみは困りながらも嬉しそうだ。
一年坊主よ、これが女心をくすぐるテクニックだ。
よく見るがいい・・・
「だから・・・つつつき合って欲しいんだけど!!」
その言葉を聞いて頭を抱える。
映画はガーガー寝てるし起きて突然過ぎるしムードもへったくれもありゃしないし、しかもこの子は寝耳に水状態だし。
この状況に女心を刺激するものが何一つない。
俺が女なら間違いなくごめんなさいだ。
終わったな、一年坊主・・・ご愁傷様。
「・・・私今まで駿くんのことそういう目で見たことなくて・・・だから・・・もう少し時間もらえないかな」
こんな出来事の後なのにみなみの友達はとても冷静だ。
そしてその返事にほらみろと思った。
「う・・・うん、待つ・・・」
一年坊主はコクコク頷いて、その姿を見ながら人知れずため息をつく。
それから映画館を出た俺とみなみは予定通りそこで別れた。
「・・・びっくりしたね」
二人と別れてまずみなみが言った。
「だな」
「どうなるかな」
「・・・難しいだろ」
あの子の一年坊主に対する雰囲気は友だち以上のものではない。
それに告白だってあの有様だ、十中八九ないだろう。
残念だけどこれを肥やしに一年坊主も学んでいけばいい。
「・・・でもなんか思い出しちゃった」
「何を?」
「花火大会の日に・・・先輩が言ってくれたこと」
「・・・俺あんな感じ?もう少し余裕なかった?」
「先輩余裕だったの?」
みなみがいたずらに覗き込むがその表情はどこか伺っている。
「余裕は確かになかったかもな」
「どうしてー?」
「どうしてって・・・」
そんなのみなみが好きだからに決まってる。
みなみも分かっていながらあえて言わせたいようで、その余裕が悔しかった。
「どうしてだと思う?」
「んー・・・ふふっ」
「確信犯か!」
「何のこと?」
そこでみなみが腕に絡みつく。
弾むように歩く度、柔らかいものがポヨポヨ腕に当たって身体が疼く。
「・・・知りたきゃウチに寄ってけば?」
「勉強は?」
「みなみが不足すると集中力が欠けるし・・・それも困るだろ?」
あらかじめNOの選択肢を削除してやると女は安心するものだ。
現にみなみは困りながらも嬉しそうだ。
一年坊主よ、これが女心をくすぐるテクニックだ。
よく見るがいい・・・