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short story
第12章 遥斗先輩とみなみちゃん 中編 / haruto
「と、とりあえずその話は置いといてみなみに伝言あれば伝えますよ」


「・・・早く会いたいって伝えといて」


一瞬で心はみなみに。
彼女は「はい」と頷いて話が反れたことにホッとしてる。


「すごいですよね、あの山下先輩がみなみに一途になるなんて」


「そう?」


「みんなすごく驚いてましたよ。当初なんて“遊ばれるだけだから止めな”なんてみなみ皆に止められて・・・」


「・・・・・・・・・」


「でも先輩がみなみを大事にしてくれてるんでホッとしてます」


彼女は心底嬉しそうに笑った。
みなみの親友だけあって良い子だと思った。


「やっぱ君も俺がみなみのこと遊びそうだと思ってた?」


「先輩は・・・正直女性関係であまりいい噂聞きませんでしたから」


申し訳なさそうに彼女が俺を見て、やっぱりかと苦笑いだ。


「・・・あのさ、みなみは俺と付き合って悪く言われたりしてない?」


「悪くですか?」


「前にさ・・・一年の男が俺と付き合うなんて以外とビッチだったんだなみたいなこと言ってんの聞いたから」


「・・・・・・・・・」


「だから俺といてみなみがそう言われたら嫌だなって」


話しながら隣を見てギョッとした。
そこには静かな怒りを纏う彼女が居て・・・


「・・・誰ですかそんなこと言う奴」


「えっ?」


「だから誰がそんなこと言ったんですか!?許せない!」


「あ、いや・・・誰かは分かんないんだけど」


「先輩は?そんなこと言われてまさか黙ってた訳じゃないですよね!?」


「・・・ショックで」


「シッカリしてください!」


「すみません・・・」



これは地雷を踏んでしまったと思いながらみなみのことでこんなに怒ってくれるのが嬉しい。


「だからもうそんなこと言わせないように真面目にね・・・」


「・・・みなみのことちゃんと考えてくれてるんですね」


「そりゃ・・・当たり前でしょ」


「頼みますよ、そうじゃなきゃ私がみなみを奪いますから」


「はは、そりゃ困るな」


肩に掛けたスクールバッグを掛け直しながらどこか嬉しそうに彼女は言った。
その時だった。


「清花」


振り向いた彼女に釣られ振り向くと、そこにはデカくていかつい男が居た。






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