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short story
第12章 遥斗先輩とみなみちゃん 中編 / haruto
とにかくこの二人はいつも露出狂みたいな格好だ。
良くも悪くもよく目立ち、ヤリたい盛りの男たちから良くモテてて、見た目通り簡単にヤラセてくれると評判の先輩たちなのだ。


そんな先輩たちをみなみが見たら・・・
気になってみなみを見るとポカーンと呆気に取られてる。


「もしかして彼女?」


真琴さんが笑って訊ねた。


「はい」


「えーっ!何か可愛い~!」


真琴さんが屈んでみなみの頭をガシガシ撫でるとみなみはムッとした顔をした。
そんなみなみを見て真琴さんがまた笑った。


「可愛いでしょ、高校生だから若いですよ」


「高校生!?犯罪~」


「犯罪じゃなくて純愛です」


キッパリ言い切った俺に真琴さんは大喜びだ。


「純愛だってー、可愛い~」


「・・・・・・・・・」


・・・そしてみなみの温度が下がる。


「みなみ、可愛いってさ・・・良かったな」


「・・・ん」


「みなみちゃんって言うんだ?ねぇ、今度コンパに連れて来なよ」


「ダメですダメ」


この先輩たちを見て分かるようにウチのサークルはチャラい人間が多い。
そしてコンパの後は必ず数組の男女が消える。
百戦錬磨の先輩たちは優男の着ぐるみを被って女の子に近づいていく。
甲斐甲斐しく世話をやき、話を聞き時に笑わせ女の子を安心させる。
そして飲ませ、しこたま飲ませ・・・泥酔した女の子をペロリといただくという卑劣極まりない男たちが一部にいるのだ。


そんな中にみなみを連れ行ったら・・・考えただけで恐ろしい。
みなみはそんな世界は知らなくていいと思う。
むしろ知らずにいて欲しい。


「飲ませなきゃ平気だって」


「ダメ、ダメですから」


真琴さんはみなみが気に入ったのだろうか、やけにコンパに誘いたがった。


「マコ、映画始まるよ」


「えーっ、もうそんな時間?」


「何観るんですか?」


「トイ.マニア」


「・・・意外ですね」


「マコが観たいって」


面倒臭そうに日和さんは頭を掻いて先に歩き出す。


「じゃあね、遥斗くんと彼女ちゃん」


手を振り日和さんを追う真琴さんたちの後ろ姿はやはり露出狂で・・・
そんな二人をじっと見ていたみなみはまじまじと自分の身体を見た。


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