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short story
第12章 遥斗先輩とみなみちゃん 中編 / haruto
「そうだよ、想定外の邪魔者に邪魔されたんだ」


「遥斗楽しそうだったよ」


「どこが!」


「山下ガールズに囲まれて」


「あれは・・・遠藤がみなみにちょっかい出すのが面白くなかったっていうか」


みなみは全然悪くないけどみなみへの当てつけだったんだと思う。
今思えば最初からみなみを取り返してれば良かった。
そうすればもっと二人だけの思い出が作れたはずなのに・・・


「じゃあ今年は一番に褒めてね」


みなみは鈍感だけど変なところで敏感で、そんな俺の想いに気づいてるようだ。


「一番も何も二人きりなんだから今年は俺にしか褒められないの。・・残念だなみなみ」


「遥斗が褒めてくれるならそれだけでいいですよ?だって遥斗のみなみだもんね」


「・・・・・・・・・」


無邪気に腕に絡みつかれ今日も俺は完敗だ。


「みなみ・・・浮気するなよ」


「しないよ。その心配はみなみがするんじゃない?遥斗先輩」


悪戯っぽくみなみが俺を見上げた。


「みなみもそんな心配すんの?」


「浮気は心配してないけど他の人好きになられちゃったらって・・・それは怖いかな」


「要らぬ心配だな」


「だって大学生はやっぱり世界が違う気がする・・・綺麗な人も沢山居るだろうし、何か・・・ね」


「・・・・・・・・・」


「だから、みなみも遥斗に飽きられないよう一応努力はしてるんだ」


「努力?」


「綺麗になる努力とか自分磨きとか・・・遥斗好みになる努力とかー?・・・遥斗が他の人に目が行かないようにって頑張ってるんですよ、一応」


「俺はそのままのみなみが好きだしあんまり綺麗になられたら心配で仕方ないんだけど」


「・・・じゃあやっぱり頑張ろ。そんなに心配してくれるなら他の人見る余裕なんてなくなるもんね」


・・・今日外出なんてするんじゃなかった。
そうすれば時間があって思う存分みなみと愛しあえたのに・・・
さっきみたいな表面だけのイチャコラなんかじゃこの気持ちを昇華できない。








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