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short story
第12章 遥斗先輩とみなみちゃん 中編 / haruto
「俺、一年前より今の方がみなみのこと好きだな」


「・・・みなみも」


「来年はもっと好きかも」


「みなみも」


「そしたらみなみ、もう俺から逃げらんないぞ。今でもこんなに好きなのに毎年好きになってったら俺みなみなじじゃ生きられなくなるから」


「大丈夫、みなみだって離れないから」


みなみの言葉にたまらない気持ちになってくる。


「みなみは進路どうすんの?」


「専門かな・・・みなみ可愛いものが好きだからそういうの作ったりする勉強がしたいの」


「専門か・・・専門なら卒業一緒だな」


そう言ったらパッとみなみが俺を見た。


「何か遥斗と並べる気分」


「並べるって・・・」


「大学の卒業式も第二ボタンちょうだいね」


「制服ねーし」


「スーツのボタンでいいよ」


スーツの第二ボタンとか・・・みなみはアホだなーと思って笑ってしまった。
でもそんなアホなところが可愛いんだろうか。


「みなみとなら一生楽しく居られるだろうな」


「一生・・・それって・・・」


みなみが上目で俺を見る。


「?」


「・・・・・・何でもない」


珍しくツンとしたみなみは何故か耳が赤い。
変な奴・・・


「なぁ、花火大会の日迎えに行こうか?」


「うん・・・迎えに来て欲しいけどお兄ちゃんが居るかもしれないし・・・」



みなみは兄さんと俺が接触するのを極端に恐れていた。
何でもとんでもなく怖い兄さんらしく、最近みなみに彼氏がいるんじゃないかと嗅ぎつけているようで・・・


俺はそんな兄さんなら尚更挨拶したいけど、みなみは血相変えて「止めた方がいい」と何度言っても止められた。


俺、みなみが家族に紹介できないような男なんだろうか・・・
その事で人知れず悩んだり凹んだり。
みなみは知らなかっただろうけど、俺は俺なりに複雑な男心を抱えていた。








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